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海外需給【豚肉/米国】畜産の情報 2024年2月号

23年1〜10月の豚肉輸出量は前年同期比6.9%増

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23年12月の繁殖豚飼養頭数、前年同月比3.3%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2023年12月1日時点の豚飼養頭数は7497万1000頭(前年同月比0.0%増)と前年並みで推移した(表1)。内訳を見ると、繁殖豚は599万9000頭(同3.3%減)とやや減少し、肥育豚は6897万3000頭(同0.3%増)となった。また、分娩母豚頭数(9〜11月)が減少する中で、1腹当たり産子数の増加により、9〜11月の産子数は前年同期並みの3461万7000頭(前年同期比0.2%減)となった。

 
23年11月の豚肉卸売価格、前年同月比4.2%安
 USDAによると、2023年11月の豚肉生産量は、と畜頭数が前年同月を上回ったことで、108万3000トン(前年同月比1.6%増)とわずかに増加した。肥育豚価格は100ポンド当たり56.19米ドル(1キログラム当たり177円:1米ドル=142.83円(注)、同11.8%安)と、前年同月をかなり大きく下回った(図1)。これは、USDAによると、カナダからのと畜向け生体豚輸入頭数の増加もあり、全体のと畜頭数が増加したことに加えて、国内経済の減速などによる豚肉需要の減少によって需給が緩和したためとされている。同月の豚肉卸売価格は100ポンド当たり86.68米ドル(1キログラム当たり273円、同4.2%安)と、前年同月をやや下回った(図2)。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年12月末TTS相場。




 
23年10月の豚肉輸出量、前年同月比5.7%増
 USDAによると、2023年10月の豚肉輸出量は25万9600トン(前年同月比5.7%増)、同年1〜10月の累計では252万4900トン(前年同期比6.9%増)といずれもかなりの程度増加した(表2)。10月の輸出量を輸出先別に見ると、最大のメキシコ向けは、旺盛な需要から前年同月比16.1%増と大幅に増加した。一方、第2位の日本向けは、カナダ産やブラジル産との競合により、同10.8%減と前年同月をかなりの程度下回った。23年の輸出見込みについてUSDAは、輸出量の約6割を占める中南米などの需要が堅調に推移していることから、前月予測から7000トン引き上げ、306万1000トン(前年比6.4%増)とした。

 
(調査情報部 小林 大祐)