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海外需給【飼料/ブラジル】畜産の情報 2024年2月号

エルニーニョ現象による異常気象がトウモロコシおよび大豆生産に影響

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2023年12月7日、23/24年度第3回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1、2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
 
23/24年度トウモロコシ生産は、エルニーニョの影響で播種はしゅ作業に遅れが発生
 2023/24年度のトウモロコシ生産量は、前回より53万8300トン下方修正され、1億1852万8100トン(前年度比10.2%減)と前年度をかなりの程度下回り、3年ぶりに減少に転じると見込まれている。多くの地域でトウモロコシよりも収益性の高い大豆などへ転作が進んだことや、エルニーニョ現象により各地で異常気象が発生したことで、生産量は2回連続で下方修正された。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回より55万800トン下方修正され2530万9300トン(同7.5%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。エルニーニョ現象により南部地域では豪雨となり、土壌侵食や養分浸出など作物の初期生育に悪影響が出ている。一方、中西部など他の地域では、不規則な降雨や高温により播種作業に遅れが生じている。主産地の一つである南東部のミナスジェライス州では、播種期に当たる11月初旬に州南部で深刻な干ばつや高温に見舞われるなど、異常気象により播種作業が大幅に遅れた。ブラジル全土では作付面積の60.0%(11月30日現在)で播種が終了しているが、前年同期(71.2%)に比べて11.2ポイント遅れている。
 また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は前回から大きな変更はなく、作付面積(同4.5%減)、単収(同6.7%減)とも減少し、生産量は9123万5100トン(同10.9%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
 23/24年度の需給状況を見ると、生産量が減少する中、消費量は8446万5300トン(同6.1%増)と引き続き増加すると見込まれている。一方で輸出量は、北米での豊作からブラジル産の国際市場での流通量の減少が見込まれ3800万トン(同32.1%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。








 
23/24年度大豆生産量は、降雨不足で中西部や北部を中心に下方修正
 2023/24年度の大豆生産量は、前回より224万3700トン下方修正されたものの、1億6017万7200トン(前年度比3.6%増)と前年度をやや上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。23/24年度は、作付面積(同2.8%増)、単収(同0.8%増)とも前年度を上回ると見込まれるものの、エルニーニョ現象により広い地域で作物の初期生育への悪影響や播種作業の遅れが報じられている。このため、中西部、北部、北東部の多くの州では降雨不足や高温により単収が減少し、生産量が前年度を下回ると見込まれている。ブラジル全土では作付面積の83.1%(12月2日現在)で播種が終了しているが、前年同期(90.7%)に比べて7.6ポイント遅れている。
 23/24年度の需給状況を見ると、輸出量は生産減により142万5200トン下方修正され1億158万9200トン(同1.6%増)と見込まれている。また、加工量はアルゼンチンでの増産予想などにより105万1500トン下方修正され5329万8200トン(同2.5%増)と見込まれている。




 
(調査情報部 井田 俊二)