畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 5年12月の生乳生産量 前年同月比1.9%減

国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2024年3月号

5年12月の生乳生産量 前年同月比1.9%減

印刷ページ
12月の北海道の生乳生産量、前年同月比0.8%減
 令和5年12月の生乳生産量は、60万9098トン(前年同月比1.9%減)と前年同月をわずかに下回り、17カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は34万6685トン(同0.8%減)、都府県は26万2413トン(同3.4%減)とともに前年同月を下回った。北海道は16カ月、都府県は17カ月連続でそれぞれ前年同月を下回ったが、いずれも減少率は縮小した。


 
 12月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、30万3178トン(同2.1%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、2万7754トン(同0.04%減)と前年同月並みとなった。
 乳製品向けは、30万2159トン(同1.8%減)と前年同月をわずかに下回り、17カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万2983トン(同1.2%減)と前年同月をわずかに下回り、チーズ向けは、3万6845トン(同10.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、16万2338トン(同0.2%増)と前年同月並みとなった(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 12月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は24万6310キロリットル(同0.8%減)と前年同月をわずかに下回り、成分調整牛乳は1万7858キロリットル(同8.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万4345キロリットル(同8.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 乳製品のうち、クリームは1万861トン(同1.6%減)と前年同月をわずかに下回った。
 
12月末のバター在庫量、前年同月比34.1%減
 12月のバターの生産量は、6188トン(前年同月比1.7%減)と前年同月をわずかに下回った(図2)。出回り量は8760トン(同15.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。12月末の在庫量は、2万321トン(同34.1%減)と前年同月を大幅に下回り、20カ月連続で前年同月を下回った(図3)。




 
12月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比39.1%減
 12月の脱脂粉乳の生産量は、1万4480トン(前年同月比0.9%増)と18カ月ぶりに前年同月を上回った(図4)。出回り量は1万4539トン(同17.9%減)と前年同月を大幅に下回った(農畜産業振興機構調べ)。12月末の在庫量は、5万158トン(同39.1%減)と前年同月を大幅に下回り、15カ月連続で前年同月を下回った(図5)。




 
6年度の生乳生産量、733万トンと3年ぶりの増産となる見込み
 一般社団法人Jミルクは令和6年1月26日、「2023、2024年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題について」を公表した。これによると、5年度の生乳生産量は731万1000トン(前年度比2.9%減)と前年度を下回る見込みとなった(表)。6年度は733万トン(同0.3%増)と3年ぶりの増産となる見込みである。地域別に見ると、5年度は、北海道では416万6000トン(同2.1%減)、都府県では314万5000トン(同4.1%減)とともに前年度を下回る見込みとなっている。6年度は、北海道では422万5000トン(同1.4%増)と前年度を上回る一方で、都府県では310万5000トン(同1.3%減)と前年度を下回る見込みとなっている。

 
6年度の輸入枠数量が決定
 農林水産省は令和6年1月26日、6年度の指定乳製品等の輸入枠数量を決定した。これによると、6年度の輸入枠は、5年度と同様に世界貿易機関(WTO)において約束している最低数量(カレントアクセス:生乳換算で13万7000トン)にとどめることとした。品目別の輸入量(製品重量)は、脱脂粉乳は日米貿易協定に基づく750トン以内、ホエイはWTOに基づく4500トン以内、バターオイルは事業者の要望に基づく185トン以内、残りをバターに8000〜約1万トン配分するとした。当機構は、今回設定された輸入枠数量に基づき、需給状況に応じて入札を実施する予定である。
 
(酪農乳業部 山下 侑真)