23年12月の牛肉生産量、前年同月比1.6%減
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2023年12月の牛と畜頭数は254万9000頭(前年同月比3.4%減)、同月の牛肉生産量は99万3000トン(前年同月比1.6%減)といずれも減少した(図1)。この結果、23年累計(1〜12月)の牛肉生産量は1223万1000トン(前年比4.7%減)となり、牛群が縮小傾向にある中で8年ぶりの減少に転じた。24年の牛肉生産量についてUSDAは、今後さらなる飼養頭数の減少が見込まれることから1184万3000トン(同3.2%減)とやや減少を予測している。
23年12月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は、国内生産量が減少する中で需要が堅調であることから、100ポンド当たり292.52米ドル(1キログラム当たり958円:1米ドル=148.55円(注2)、前年同月比12.3%高)とかなり大きく上昇し、依然高値で推移している(図2)。
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年1月末TTS相場。
23年12月の肥育牛価格、前年同月比9.5%高
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2023年12月の肥育牛価格は100ポンド当たり171.45米ドル(1キログラム当たり561円、前年同月比9.5%高)とかなりの程度上昇し、6月のピークからはかなりの程度下落しているものの、12月としては直近数年における最高値となった(図3)。24年の肥育牛価格についてUSDAは、需要が堅調にある中、肥育牛の供給頭数減少が見込まれるため、平均して同170米ドル後半と、前年を2%程度上回る水準で推移すると予測している。
23年11月の牛肉輸出量、前年同月比16.9%減
USDA/ERSによると、2023年11月の牛肉輸出量は10万3989トン(前年同月比16.9%減)と大幅に減少し、同年1〜11月累計では126万3435トン(前年同期比15.0%減)とかなり大きく減少した(表)。11月の輸出量を主要輸出先別に見ると、上位3カ国では日本向けが前年同月比19.0%減、韓国向けが同24.1%減、中国向けが同14.6%減と、需要の減少などから軒並み10%以上、前年を下回った。USDAによると、24年の牛肉輸出量は国内生産量の減少やアジア地域の需要減少が続くことから、前年比7.6%減の126万3300トンと見込まれている。
(調査情報部 伊藤 瑞基)