1月の北海道の生乳生産量、17カ月ぶりに前年同月を上回る
令和6年1月の生乳生産量は、62万575トン(前年同月比0.6%減)と前年同月をわずかに下回り、18カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は35万1671トン(同0.6%増)と17カ月ぶりに前年同月を上回った。都府県は26万8904トン(同2.1%減)と18カ月連続で前年同月を下回った。
1月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、30万9733トン(同1.5%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、2万3372トン(同5.0%減)と前年同月をやや下回った。
乳製品向けは、30万6425トン(同0.2%増)と18カ月ぶりに前年同月を上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万8443トン(同2.2%増)と前年同月をわずかに上回り、チーズ向けは、3万9199トン(同3.3%減)と前年同月をやや下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、16万5496トン(同0.5%増)と前年同月をわずかに上回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
1月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は24万9803キロリットル(同0.3%減)と前年同月並みとなった。成分調整牛乳は1万8019キロリットル(同9.6%減)と前年同月をかなりの程度下回り、加工乳は、1万2230キロリットル(同0.6%減)と前年同月をわずかに下回った。
乳製品のうち、クリームは9894トン(同2.7%増)と4カ月ぶりに前年同月を上回った。
1月末のバター在庫量、前年同月比29.0%減
1月のバターの生産量は、6941トン(前年同月比1.6%減)と前年同月をわずかに下回った(図2)。出回り量は5776トン(同16.7%減)と前年同月を大幅に下回った(農畜産業振興機構調べ)。1月末の在庫量は、2万2672トン(同29.0%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。
1月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比36.0%減
1月の脱脂粉乳の生産量は、1万4206トン(前年同月比2.1%増)と前年同月をわずかに上回った(図4)。出回り量は1万2174トン(同15.9%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。1月末の在庫量は、5万2380トン(同36.0%減)と前年同月を大幅に下回った(図5)。
令和5年の1人当たり牛乳・乳製品支出金額、3年ぶりに前年を上回る
総務省が令和6年2月に公表した家計調査によると、5年(1〜12月)の全国1人当たりの牛乳・乳製品の支出金額は1万3479円(前年比4.5%増)と前年を3年ぶりに上回った(図6)。これは、複数回にわたる乳価改定に伴う製品の値上げの影響が大きいと考えられる。
内訳を見ると、牛乳が5423円(同5.2%増)と前年をやや上回り、バターが437円(同2.4%増)、ヨーグルトが4683円(同1.9%増)と、ともに前年をわずかに上回った。チーズは2401円(同6.8%増)と前年をかなりの程度上回った。
(酪農乳業部 橋 沙織)