24年1月の豚肉生産量、と畜頭数の増加から前年同月比2.0%増
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2024年1月の豚と畜頭数は1136万8700頭(前年同月比2.1%増)とわずかに増加した。カナダからのと畜向け生体豚輸入頭数の増加などが要因とみられる。また、同年1月の豚肉生産量は、と畜頭数の増加により112万1600トン(同2.0%増)とわずかに増加した(図1)。24年の生産見込みについてUSDAは、23年後半(7〜12月)の分娩頭数増加により、前月予測から4万1000トン引き上げた1264万6000トン(前年比2.1%増)とした。
23年12月の豚肉輸出量、前年同月比14.5%増
USDAによると、2023年12月の豚肉輸出量は29万2000トン(前年同月比14.5%増)、同年1〜12月の累計では309万2500トン(前年比7.5%増)といずれも増加した(表)。12月の輸出量を輸出先別に見ると、最大の輸出先であるメキシコ向けは旺盛な需要から前年同月比15.6%増とかなり大きく増加した。また、欧州産豚肉の価格競争力が低下する中で、韓国向けは同70.4%増、豪州向けは同約3.4倍といずれも前年同月を大幅に上回った。24年の輸出見込みについてUSDAは、12月の好調な輸出を受けて前月予測から9万5000トン引き上げ、321万1000トン(前年比3.8%増)とした。
24年1月の豚肉卸売価格、前年同月比7.4%高
USDAによると、2024年1月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注1))は、バラ肉などの旺盛な需要から100ポンド当たり87.01米ドル(1キログラム当たり291円:1米ドル=151.67円(注2)、前年同月比7.4%高)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。一方、同月の肥育豚価格は、と畜頭数の増加から100ポンド当たり49.83米ドル(1キログラム当たり167円、同7.4%安)と前年同月をかなりの程度下回った(図3)。ただし、前月比では2.3%高と6カ月ぶりに上昇に転じている。今後の動向についてUSDAは、好調な豚肉需要が肥育豚価格を下支えすると見込んでいる。
(注1)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年2月末TTS相場。
(調査情報部 小林 大祐)