生産量
令和6年2月の牛肉生産量は、2万6904トン(前年同月比1.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万2896トン(同6.9%増)とかなりの程度、交雑種は7268トン(同1.3%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6479トン(同5.2%減)とやや前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の2月の平均生産量との比較では、7.4%増とかなりの程度上回る結果となった。
輸入量
2月の輸入量は、国内需要は低迷下にある中、現地相場の高騰による米国産輸入量の大幅な減少などから、冷蔵品は1万2500トン(前年同月比6.1%減)とかなりの程度、冷凍品は1万8486トン(同25.0%減)と大幅に、いずれも前年同月を下回った(図2、3)。この結果、全体でも3万1010トン(同18.4%減)と前年同月を大幅に下回った。
なお、過去5カ年の2月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は27.1%減と大幅に、冷凍品は15.3%減とかなり大きく、いずれも下回る結果となった。
家計消費量等
2月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は143グラム(前年同月比6.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の2月の平均消費量との比較では、13.9%減とかなり大きく下回る結果となった。
2月の外食産業全体の売上高は、うるう年で営業日が1日増え、休祝日の連休が2回あったが、基本的には1月の傾向と大差なく、全体的にはコロナ禍からの持ち直し傾向が堅調に続いているほか、訪日外客数はコロナ禍以降最多となるなど引き続きインバウンド需要が好調で、前年同月比11.4%増と前年同月をかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、29日の肉の日キャンペーンなどが好調で、同8.0%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風も、新商品やアニメとのコラボ商品などが好調で、同19.8%増と前年同月を大幅に上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、引き続き食べ放題業態の好調と観光地のインバウンド増で、同14.4%増と前年同月をかなり大きく上回った。
推定期末在庫・推定出回り量
2月の推定期末在庫は、12万9108トン(前年同月比16.7%減)と前年同月を大幅に下回った(図4)。このうち、輸入品は11万7666トン(同17.5%減)と前年同月を大幅に下回った。
推定出回り量は、6万1968トン(同3.4%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万6385トン(同3.6%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は3万5582トン(同8.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)