全国の生乳生産量、19カ月ぶりに前年同月を上回る
令和6年2月の生乳生産量は、59万4058トン(前年同月比4.1%増)と前年同月をやや上回り、19カ月ぶりに前年同月を上回った(図1)。地域別に見ると、北海道は33万5472トン(同5.5%増)と前年同月を2カ月連続で上回り、都府県は25万8586トン(同2.4%増)と前年同月をわずかに上回った。本年がうるう年だったこともあり、各地域ともに前年同月を上回る結果となった。
2月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、30万15トン(同1.6%増)と前年同月を18カ月ぶりに上回った。このうち、業務用向けについては、2万4124トン(同10.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
乳製品向けは、28万9919トン(同6.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万8122トン(同7.6%増)と前年同月をかなりの程度上回り、チーズ向けは、3万5874トン(同2.9%増)と前年同月をわずかに上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、15万3246トン(同7.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
2月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は24万2421キロリットル(同1.8%増)と前年同月をわずかに上回った。成分調整牛乳は1万7183キロリットル(同4.9%減)と前年同月をやや下回り、加工乳は、1万1675キロリットル(同8.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
乳製品のうち、クリームは9914トン(同7.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
2月のバター生産量、前年同月比6.7%増
2月のバターの生産量は、6298トン(前年同月比6.7%増)と前年同月をかなりの程度上回り、18カ月ぶりに前年同月を上回った(図2)。出回り量は7111トン(同8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構調べ)。2月末の在庫量は、2万3228トン(同24.3%減)と前年同月を大幅に下回ったが、2カ月連続で前月を上回った(図3)。
2月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比33.6%減
2月の脱脂粉乳の生産量は、1万3250トン(前年同月比8.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。出回り量は1万3944トン(同13.2%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。2月末の在庫量は、5万1785トン(同33.6%減)と前年同月を大幅に下回った(図5)。
2月の牛乳の消費者物価指数、前年同月比9.2%上昇
総務省が令和6年3月22日に発表した2月の消費者物価指数(令和2年=100)によると、牛乳は119.6(前年同月比9.2%上昇)、ヨーグルトは112.9(同9.5%上昇)、バターは119.1(同20.8%上昇)といずれも前年同月を上回った(図6)。それぞれ、5年8月の飲用向けおよびはっ酵乳向け乳価引き上げ、4月と12月の加工用向け乳価引き上げに伴う価格改定の時期に上昇する動きがみられた。
(酪農乳業部 山下 侑真)