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海外需給【牛乳・乳製品/NZ】畜産の情報 2024年5月号

24年2月の生乳生産量、乳製品輸出量ともに前年同月を上回る

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24年2月の生乳生産量、温暖な湿潤気候などからやや増加
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2024年2月の生乳生産量は191万4000トン(前年同月比5.5%増)とやや増加した(図1)。この結果、23/24年度(6月〜翌5月)同月までの累計では、1700万トン(前年同期比0.2%増)と前年同期並みの水準まで回復している。この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、平年よりも温暖かつ予想以上の湿潤気候により、土壌水分量が上昇したことで、牧草の生育状況が良好となったことを挙げている。また、今年はうるう年のため、同月の日数が例年よりも1日多かったことなども一因としている。
 



 
24年2月の乳製品輸出量、主要4品目すべてで前年同月を上回る
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2024年2月の乳製品輸出量は、中国向け輸出の伸びなどから主要4品目すべてで前年同月を上回った(表、図2)。特に全粉乳については、中国向けが前年同月の2万4249トンから4万9092トンへと2倍以上増加したことで、全体でも大幅に増加した。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の拡大によって需要が減少した前年同月からの反動や、両国間の自由貿易協定に基づき、同年1月1日から全粉乳に対する関税が撤廃(注1)されたことなどが背景にあるとみられる。
 
(注1)海外情報「中国向け乳製品、全品目の関税が撤廃(NZ)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003696.html)をご参照ください。




 
 
24年3月中旬のGDT平均価格、3.7%安に下落
 2024年3月19日開催のGDT(注2)平均取引価格は、主要4品目すべてで前回開催時(同年3月5日)の価格を下回り、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり3497米ドル(53万2978円:1米ドル=152.41円(注3)、前回比3.7%安)となった(図3)。特に脱脂粉乳は同2517米ドル(38万3616円、同4.7%安)と主要4品目の中で最大の下げ幅を記録し、昨年9月以来の安値となった。今回の結果についてNZXは、北半球と南半球の生乳生産が重なる季節的な要因であるとし、生乳供給量の増加が価格決定の圧力になったと報告している。
 
(注2)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年3月末TTS相場。
 

 
 
(調査情報部 工藤 理帆)