24年2月の国産トウモロコシ価格、供給増も需要増からわずかに下落
中国農業農村部は3月20日、「農産物需給動向分析月報(2024年2月)」を公表した。この中で、24年2月の国産トウモロコシ価格は前月からわずかに下落した(図1)。同月のトウモロコシ需給を見ると、供給面では引き続き産地からの供給が潤沢とされている。需要面では春節が明けてコーンスターチ製造など加工企業からの需要増に加え、国家備蓄向けトウモロコシの買い入れも進んでいるとされる。このため、需給はやや弱含みながらも均衡状態を維持しており、短期的な価格も安定した推移が見込まれている。
輸入トウモロコシ価格を見ると、主要養豚生産地である中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着(関税割当数量内:1%の関税+25%の追加関税)は、24年2月が1キログラム当たり2.16元(46円:1元=21.13円(注))となった。また、同月の国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)が同2.48元(52円)となったことで、輸入と国産との価格差は先月の同0.36元(8円)から同0.32元(7円)に縮まった。
国産大豆価格、春節明けの売買再開で安定した推移と予想
2024年2月の国産大豆価格は、前月からわずかに下落した(図2)。同月の大豆需給を見ると、市場への供給量は安定ながらも、春節や季節行事などを挟む中で、南部での降雪などにより一部生産地での買い付けや消費地での販売の動きが鈍くなったとされる。このため、価格はわずかに下落したが、今後、売買活動が活発になることで、安定した推移が見込まれている。
各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、24年2月が1キログラム当たり4.76元(101円、前年同月比12.5%安)と前年同月をかなり大きく下回った。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同5.62元(119円、同6.7%安)とかなりの程度下回った。また、同月の輸入大豆価格(山東省青島港引き渡し価格、課税後)は同4.56元(96円)となったことで、輸入と国産との価格差は先月の同0.90元(19円)から同1.06元(22円)に広がった。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年3月末TTS相場。
(調査情報部 横田 徹)