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海外需給【豚肉/カナダ】畜産の情報 2024年6月号

24年1〜2月の豚肉輸出量、前年同期比15.4%増

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豚総飼養頭数、前年比1.0%減
 カナダ統計局(Statistics Canada)によると、2024年1月1日時点の豚飼養頭数は1377万頭(前年同月比1.0%減)とわずかに減少した(表1)。内訳を見ると、繁殖豚が122万頭(同2.3%減)で15年以来の低水準となり、肥育豚は1255万頭(同0.9%減)となった。カナダ国内における干ばつや食肉処理加工能力の低下から、生産者の増頭意欲が減退し、母豚のと畜向け出荷が進んでいるとみられる。
 24年の豚肉生産量について米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、と畜頭数が減少(2140万頭、前年比2.5%減)する中で、上半期(1〜6月)の平均枝肉重量の増加が寄与することで、203万トン(同0.7%減)と見込んでいる。

 
24年1〜2月の生体豚輸出頭数、前年同期比11.9%増
 2024年1〜2月の生体豚輸出頭数(米国向け)は、119万頭(前年同期比11.9%増)とかなり大きく増加した(図)。これは、主にカナダ東部(オンタリオ州やケベック州)におけると畜処理能力の低下に加え、堅調な米国内および輸出需要から米国に輸出されたことが影響した。USDAは、24年上半期(1〜6月)もこの傾向が続くとしつつ、カナダ国内で母豚と畜の増加に伴う生産頭数の減少により、同年の生体豚輸出頭数は670万頭(同0.7%減)とわずかな減少を見込んでいる。

 
24年1〜2月豚肉輸出量は前年同期比15.4%増、輸入量は同14.9%減
 Statistics Canadaによると、2024年1〜2月の豚肉輸出量は日本やフィリピン、韓国向けの増加から、18万7000トン(前年同期比15.4%増)と前年同期をかなり大きく上回った(表2)。一方、同期間の豚肉輸入量は、2万3800トン(同14.9%減)とかなり大きく減少した(表3)。米国やEUからの輸入量が減少する一方、22年に輸入が解禁されたブラジルからの輸入量は同約13.2倍と大幅に増加した。
 24年の豚肉輸出量についてUSDAは、競合となるEUの生産減や、インド太平洋地域における需要の回復から、132万5000トン(枝肉換算ベース、前年比0.8%増)と予測している。また、同年の豚肉輸入量は引き続きEUからの輸入量が減少することなどにより、26万トン(同0.4%減)と予測している。



 
 
 
(調査情報部 小林 大祐)