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海外需給【飼料 中国】畜産の情報 2024年6月号

トウモロコシおよび大豆の価格動向

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24年3月の国産トウモロコシ価格、加工需要の増加からわずかに上昇
 中国農業農村部は4月26日、「農産物需給動向分析月報(2024年3月)」を公表した。この中で、24年3月の国産トウモロコシ価格は前月からわずかに上昇した(図1)。同月のトウモロコシ需給を見ると、前年に比べて市場への供給量が少ないとされる中で、コーンスターチ製造など加工業界の収益が改善し、工場の稼働率が高水準を維持しているとされる。このため、一部産地からの余剰在庫の取り崩しが見込まれているが、需給がややひっ迫傾向にあることで、短期的には安定した価格の推移が見込まれている。
 輸入トウモロコシ価格を見ると、主要養豚生産地である中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔こうほ港到着(関税割当数量内:1%の関税+25%の追加関税)は、24年3月が1キログラム当たり2.12元(46円:1元=21.93円(注))となった。また、同月の国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)が同2.50元(55円)となったことで、輸入と国産との価格差は先月の同0.32元(7円)から同0.38元(8円)に広がった。
 


 
 
国産大豆価格、製品需要の減少からやや下落
 2024年2月の国産大豆価格は、前月からやや下落した(図2)。同月の大豆需給を見ると、気温の上昇に伴う野菜類の出荷増に加え、肉類や卵、乳製品の供給量が増える中で、大豆製品に対する需要は減少しつつある。このため、大豆加工業者は在庫を減らし、販売に応じた購入に切り替えているとされる。他方で、引き続き備蓄向けの買い入れなどが行われることで、需給は緩やかながらも、短期的には安定した価格の推移が見込まれている。
 各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、24年2月が1キログラム当たり4.64元(102円、前年同月比14.8%安)と前年同月をかなり大きく下回った。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同5.36元(118円、同11.1%安)と前年同月をかなり大きく下回った。さらに、同月の輸入大豆価格(山東省青島港引き渡し価格、課税後)が同4.48元(98円)となったことで、輸入と国産との価格差は先月の同1.06元(23円)から同0.88元(19円)に縮まった。
 国際相場に影響する大豆の輸入量は、前年に比べて低い水準にある。24年(1〜2月)の輸入量は1304万トン(前年同期比9.6%減)、輸入額は同22.9%減の74億3900万米ドル(1兆1746億円:1米ドル=157.90円(注))と報告されている。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年4月末TTS相場。

 
(調査情報部 横田 徹)