生産量
令和6年4月の牛肉生産量は、3万1124トン(前年同月比2.7%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万5485トン(同6.0%増)、乳用種は7145トン(同7.6%増)と、ともに前年同月をかなりの程度上回った一方、交雑種は8191トン(同5.5%減)と前年同月をやや下回った。
なお、過去5カ年の4月の平均生産量との比較では、7.0%増とかなりの程度上回る結果となった。
輸入量
4月の輸入量は、国内需要が低迷する中、現地相場の高騰による米国産輸入量の大幅な減少などから、冷蔵品は1万8173トン(前年同月比13.8%減)とかなり大きく、冷凍品は4万5010トン(同3.8%減)とやや、いずれも前年同月を下回った(図2、3)。この結果、全体でも6万3202トン(同6.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
なお、過去5カ年の4月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は25.0%減と大幅に下回った一方、冷凍品は12.7%増とかなり大きく上回る結果となった。
家計消費量等
4月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は156グラム(前年同月比6.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の4月の平均消費量との比較では、2.8%減とわずかに下回る結果となった。
4月の外食産業全体の売上高は、物価高騰が続き、伸び率は前年同月を下回ったものの、花見や歓送迎会需要などにより、前年同月比6.0%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、割引キャンペーンの集客が従前に及ばなかったものの、高付加価値メニューの好調で同4.3%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風も、販促キャンペーンやお得メニューの充実で夕食需要が高まり、同6.7%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、前年比で休日数が減少し客数も減少、前年の販促キャンペーンの反動などで、同1.1%減と前年同月をわずかに下回った。
推定期末在庫・推定出回り量
4月の推定期末在庫は、13万6045トン(前年同月比15.1%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図4)。このうち、輸入品は12万4210トン(同16.0%減)と前年同月を大幅に下回った。
推定出回り量は、8万1839トン(同6.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、輸入品は5万221トン(同12.3%減)と前年同月をかなり大きく下回った一方、国産品は3万1618トン(同6.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)