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海外需給【牛肉/米国】畜産の情報 2024年7月号

24年第1四半期の牛肉輸出量は前年同期比5.9%減

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24年4月の牛肉生産量は前年同月比11.3%増
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2024年4月の牛と畜頭数は268万1000頭(前年同月比7.5%増)とかなりの程度増加した。同月の1頭当たり枝肉重量は、前月までのと畜ペースの遅れに伴う肥育期間の長期化により、384.6キログラム(同3.7%増)とやや増加した。この結果、同月の牛肉生産量は104万5000トン(同11.3%増)とかなり大きく増加した(図1)。24年の牛肉生産量についてUSDAは、今後第3四半期(7〜9月)にかけても枝肉重量の増加が見込まれることで、前月予測から6万4000トン上方修正した1206万3000トン(前年同期比1.4%減)と見込んでいる。
 また、4月のフィードロット導入頭数は165万6000頭(前年同月比5.8%減)とやや減少し、出荷頭数は187万2000頭(同10.1%増)とかなりの程度増加した。この結果、5月1日時点のフィードロット飼養頭数は1155万4000頭(前年同日比0.9%減)とわずかに減少した。


 
 
24年4月の肥育牛価格、前年同月比4.2%高
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2024年4月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー)は100ポンド当たり298.86米ドル(1キログラム当たり1039円:1米ドル=157.74円(注)、前年同月比0.6%安)と下落し、15カ月ぶりに前年同月を下回った(図2)。
 また、同月の肥育牛価格は、肥育牛の供給増や卸売価格の下落により食肉処理加工業者(パッカー)の利益が圧縮されたことから、同185.77米ドル(同646円、同4.2%高)となり、前月から0.6%下落した(図3)。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年5月末TTS相場。





 
 
24年1〜3月の牛肉輸出量は前年同期比5.9%減、輸出額では同5.8%増
 USDA/ERSによると、2024年3月の牛肉輸出量は11万6169トン(前年同月比10.4%減)とかなりの程度減少し、同年第1四半期(1〜3月)累計では33万2394トン(前年同期比5.9%減)とやや減少した(表)。
 一方、米国農務省海外農業局(USDA/FAS)によると、第1四半期の累計輸出額は21億4647万米ドル(3385億8418万円、同5.8%増)とやや増加した。輸出量が減少している中で、国内の供給減と堅調な需要による価格高が全体の輸出額を押し上げている。
 輸出先別に見ると、日本向けが輸出量が7万5409トン(同10.8%減)とかなりの程度減少し、輸出額でも同6.7%減と減少した。韓国向けは輸出量が7万2578トン(同8.8%減)となった一方、輸出額では同10.2%増とかなりの程度増加した。また、メキシコ向けは輸出量が3万9302トン(同11.7%増)とかなり大きく増加し、輸出額でも同21.2%増と大幅に増加した。

 
(調査情報部 伊藤 瑞基)