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海外需給【牛肉/中国】畜産の情報 2024年7月号

牛肉生産量は増加、輸入量も引き続き増加傾向で推移

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24年第1四半期の牛肉生産量は前年同期比3.3%増
 中国国家統計局によると、2023年の牛肉生産量は、飼養頭数の増加などから前年比4.8%増の753万トンとなった(図1)。また、24年第1四半期(1〜3月)の牛肉生産量は、前年同期比3.3%増の186万トンとなった。
 24年の牛肉生産量について中国農業農村部は、同年4月に公表した「中国農業展望報告(2024―33)」(以下「展望報告」という)の中で、品種改良が着実に進み、飼養技術も向上していることなどから、761万トン(前年比1.1%増)と見込んでいる。

 
24年5月の牛肉価格は前年同月比14.1%安
 牛肉の卸売価格は、牛肉生産量の増加や価格優位性のある輸入牛肉の輸入量増加などを背景に2023年は下落基調で推移した。24年もこの傾向が続いており、中国商務部によると、5月の牛肉卸売価格は1キログラム当たり64.0元(1402円:1元=21.91円(注)、前年同月比14.1%安)と、20年を下回る水準になった(図2)。
 今後の牛肉価格について展望報告では、引き続き牛肉の輸入量が増加することに加え、生乳価格の下落により乳用牛の淘汰とうた(とうた)が進むことで牛肉生産量が増加することなどから、当面下落するとしている。他方で、牛の生産コストは依然として高いため、牛肉価格の下落に伴って乳用牛の淘汰が抑制されることから、下落幅はそれほど大きくならないと見込んでいる。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年5月末TTS相場。

 
24年1〜4月の牛肉輸入量、冷蔵・冷凍共に大幅増
 中国の牛肉輸入量は、牛肉生産量が増加基調にある一方、高まる需要を背景に増加傾向で推移してきた。2023年の牛肉輸入実績を見ると、輸入の大部分を占める冷凍牛肉は267万1945トン(前年比1.3%増)とわずかに増加した(表1)。
また、冷蔵牛肉の輸入量は6万5421トン(同25.5%増)と大幅に増加した(表2)。24年1〜4月も増加傾向は続いており、冷凍牛肉は前年同期比21.3%増、冷蔵牛肉は51.6%増といずれも大幅に増加した。

 牛肉の輸入量について展望報告では、輸入牛肉は依然として価格優位性があることなどから24年も引き続き増加(前年比1.8%増)と見込んでいる。一方で、米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は4月、中国国内で輸入牛肉の在庫が積み上がっていることに加え、と畜頭数の増加により牛肉生産量が増加(同2%増)することから、輸入量は減少(同4%減)するとのレポートを公表している。

 


 
 
 
(調査情報部 平山 宗幸)