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海外需給【牛乳・乳製品/米国】畜産の情報 2024年7月号

24年4月の生乳生産量は前年同月比0.4%減

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24年4月の乳用経産牛飼養頭数はわずかに減少
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2024年4月の乳用経産牛飼養頭数は934万頭(前年同月比0.8%減)とわずかに減少した。また、同月の生乳生産量は、飼養頭数が減少する中で867万9000トン(同0.4%減)とわずかに減少した(図1)。主要生産州別に見ると、チーズの生産が盛んな中西部ウィスコンシン州では同2.5%増となった。一方、
3月に乳牛のHPAI感染が報告(注1)されたテキサス州では、一頭当たり乳量の減少(同2.5%減)などにより同3.3%減となった。
 USDAは、24年の生乳生産量について、飼料価格の下落により1頭当たり乳量の増加が見込まれることから、先月予測より46万3000トン上方修正の1億311万1000トン(前年比0.4%増)と予測している。
 
(注1)海外情報「乳牛でのHPAI感染エリアが拡大、当局は各種対策を実施(米国)(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003792.html)」をご参照ください。

 
 
24年4月のチーズ卸売価格は前年同月比8.6%安
 米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)によると、2024年4月のチーズ卸売価格は前年同月比8.6%安の1ポンド当たり1.61米ドル(1キログラム当たり559円:1ドル=157.74円(注2))となった(図2)。一方、バターの卸売価格は国内の堅調な需要から、同24.3%高の同2.94米ドル(同1023円)と大幅に上昇した(図3)。今後の動向についてUSDAは、夏季の需要増からチーズやバターの価格上昇が見込まれるとしている。
 
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均為替相場」の2024年5月末TTS相場。




 
 
24年3月の乳製品輸出量は全体的に減少も、チーズは大幅増
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2024年3月の乳製品輸出量は乳脂肪分ベースで前年同月比0.8%減、無脂乳固形分ベースで同8.3%減となった。品目別に見ると、脱脂粉乳は国内生産の減少や、最大の輸出先であるメキシコからの需要減により、6万3700トン(前年同月比18.4%減)と大幅に減少した(表)。一方、チーズはメキシコや韓国、日本からの需要増により、5万トン(同20.5%増)と大幅に増加した。米国乳製品輸出協会(USDEC)によると、メキシコでは輸入脱脂粉乳を主にチーズの生産に用いるが、米国産チーズが比較的安価に輸入できることなどから、脱脂粉乳の輸入が減少しているとされる。そのほか、乳糖(同7.2%減)やホエイ(同22.3%減)は、米ドル高に伴う輸出競争力の低下などからいずれも減少した。
 

 
(調査情報部 小林 大祐)