畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 6年5月の鶏卵卸売価格、前年同月比41.7%安

国内需給【鶏卵】畜産の情報 2024年7月号

6年5月の鶏卵卸売価格、前年同月比41.7%安

印刷ページ
卸売価格
 令和6年5月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり204円(前年同月差146円安、前年同月比41.7%安)と高値で推移した前年同月を大幅に下回った(図1)。なお、日ごとの推移を見ると、同価格は、月初の同220円から7日に同210円、その後、13日から末日までは同200円に下落し、月間の下落幅は同20円となった。
 このような中、一般社団法人日本養鶏協会は5月13日、同日時点の鶏卵の標準取引価格(日ごと)が、安定基準価格(同202円)を下回る同195円になったことから、成鶏更新・空舎延長事業(注)を発動したことを公表した。同事業の発動は、2月に次いで今年2回目である。
供給面については、令和4年シーズンの高病原性鳥インフルエンザ(以下「HPAI」という)発生農場において、採卵鶏の再導入が進んでいることなどから引き続き回復傾向がみられている。一方、需要面については、連休中の行楽需要が一定程度あったものの、加工・業務向けでの令和4年シーズンのHPAI発生による鶏卵不足の影響が続いており、需要の回復が遅れている状況にある。
 
(注)鶏卵生産者経営安定対策事業の一つであり、一般社団法人日本養鶏協会が実施する事業。同事業は、鶏卵の標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を下回った日の30日(10万羽未満の生産者は40日)前から標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して奨励金を交付するものである。
 


 
家計消費量
 4月の鶏卵の家計消費量(全国1人当たり)は、876グラム(前年同月比3.6%増)と前年同月をやや上回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の4月の平均消費量との比較では、6.4%減とかなりの程度下回る結果となった。
 
輸入量
令和5年度の鶏卵(孵化ふか用除く)輸入量(殻付き換算)は、11万1290トン(前年度比4.9%減)となった(図2)。前年度および前々年度は鶏卵需給がひっ迫したことから輸入量が多かったものの、国産鶏卵の供給の回復などから、前年度を下回った。

 
(畜産振興部 大西 未来)