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海外需給【鶏肉/タイ】畜産の情報 2024年8月号

24年の鶏肉調製品の輸出量は増加傾向

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24年1〜4月の鶏肉生産量は前年並み
 タイ農業協同組合省農業経済局によると、2024年1〜4月の鶏肉生産量は87万4862トン(前年同期比0.1%増)と前年並みとなった(図1)。

 
24年5月の鶏肉卸売価格は前年同月比2.9%安
 2024年5月の鶏肉卸売価格は、前年同月比2.9%安の1キログラム当たり57.50バーツ(255円:1バーツ=4.44円(注1))となった(図2)。現地関係者によると、5月の鶏肉卸売価格は生産費の高騰から高値で推移した前年の水準を下回っているものの、異常気象や飼料価格の高騰から例年に比べて高値で推移している。異常気象の主な影響としては、タイが輸入する肉用鶏は比較的高温に弱いため、ここ最近の暑熱により増体率の悪化や事故率が上昇し、出荷に影響が生じていたとされている。直近では気温が下がり始めたため、今後は、飼料価格の高騰が続くものの、増体率の回復から出荷の安定が見込まれることで、価格は徐々に低下するとみられている。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年6月末TTS相場。


 
 24年1〜4月の冷凍鶏肉輸出量は前年同期比8.3%減
 2024年1〜4月の冷凍鶏肉の輸出量は、15万2007トン(前年同期比8.3%減)と前年同期をかなりの程度下回った(表1)。一方で、輸出先別に見ると、日本向けは外食産業を中心に鶏肉需要の引き合いが強いことから、5万8427トン(同14.8%増)と前年同期をかなり大きく上回った。一方、中国向けは、中国国内の鶏肉生産量増加などから引き合いが減少し、3万6686トン(同6.3%減)と前年同期をかなりの程度下回った。


 
 
24年1〜4月の鶏肉調製品の輸出量は前年同期比13.7%増
 2024年1〜4月の鶏肉調製品輸出量は、21万2765トン(前年同期比13.7%増)と前年同期をかなり大きく上回った(表2)。日本向けは、為替の影響などがあるものの、引き続き外食や中食・総菜向けなどからの引き合いが強いことから、9万5311トン(同6.9%増)と前年同期をかなりの程度上回った。また、英国向けも6万1923トン(同20.2%増)と前年同期を大幅に上回った。現地関係者によると、英国を含む欧州では、紅海を迂回して喜望峰を経由する輸送ルートになってから、前倒しで輸入する傾向が高まっていることに加え、英国の23/24年度(7月〜翌6月)関税割当の消化に向けた駆け込み需要が生じたことなどから、前年同期を上回ったとされている。


 
 
(調査情報部 田中 美宇)