24年4月の生乳生産量は引き続き前年同月を上回る
デイリー・オーストラリア(DA)が2024年5月に公表した「Milk Production Reports」によると、24年4月の生乳生産量は、前年同月比2.5%増の59万1836キロリットル(60万9591トン相当)となり、9カ月連続で前年同月を上回った(図1)。この結果、23/24年度(7月〜翌6月)の4月までの累計生乳生産量は、前年同期比3.0%増の713万4561万キロリットル(734万8598トン相当)となった。
同年度の生乳生産量についてDAは、適時に降雨が得られたことで冬季の飼料確保に見通しがついたとして、24年3月時点の予測(前年度比1%増(821万キロリットル、845万トン相当))を引き上げ、同2〜3%増(829万〜837万キロリットル、854万〜862万トン相当)と見込んでいる。
24/25年度の生産者支払乳価、生乳需要の低迷を受け引き下げ
2023/24年度の生産者支払乳価は、乳業各社による乳量確保の動きから、生乳の固形分(注1)1キログラム当たり8豪ドル(872円:1豪ドル=109.0円(注2))台後半と高値で推移した。
しかし、生乳生産量増加の見通しや消費者の買い控えなどを受けて、24年6月1日までに大手乳業各社が公表した24/25年度の生産者支払乳価は、いずれも前年度からおおむね1割安の同8豪ドル台前半に引き下げられている(注3)。
(注1)乳脂肪分および乳タンパク質。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年6月末TTS相場。
24年4月の主要乳製品の輸出量、4品目すべてで増加
DAが発表した2024年4月の主要乳製品4品目の輸出量は、全品目で前年同月を上回った(表、図2)。
脱脂粉乳は、中国向けが大きく減少したものの、インドネシアやマレーシアなど東南アジア向けが大きく増加したことを受け、前年同月比で大幅に増加した。全粉乳は、アラブ首長国連邦向けが大きく減少したものの、タイ向けが大きく増加し、中国やベトナム向けも堅調に推移したことを受け、かなりの程度増加した。バターおよびバターオイルは、韓国やフィリピン向けが低調であったものの、中国や他のアジア向けが好調であったことを受け、大幅に増加した。チーズは、輸出先第1位の日本向けを始め、同第2位の中国や他のアジア向けも堅調に推移したことを受け、大幅に増加した。
(調査情報部 平山 宗幸)