生産量
令和6年5月の牛肉生産量(注1)は、2万8270トン(前年同月比3.6%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万3949トン(同9.0%増)とかなりの程度、交雑種は7565トン(同0.6%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6476トン(同2.1%減)と前年同月をわずかに下回った。
なお、過去5カ年の5月の平均生産量との比較では、8.4%増とかなりの程度上回る結果となった。
(注1)生産量の合計にはその他の牛、子牛が含まれている。
輸入量
5月の輸入量は、冷蔵品は、国内需要の低迷により低調に推移するも、前年同月の豪州産輸入量が少なかったことなどから、1万7772トン(前年同月比10.4%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。冷凍品は、現地相場高の影響から米国産輸入量が減少した一方、豪州産およびニュージーランド産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことなどから、3万729トン(同1.4%増)と前年同月をわずかに上回った(図3)。この結果、輸入量(注2)の合計でも4万8512トン(同4.4%増)と前年同月をやや上回った。
なお、過去5カ年の5月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は13.6%減とかなり大きく下回った一方、冷凍品は11.8%増とかなり大きく上回る結果となった。
(注2)輸入量の合計には煮沸肉、ほほ肉、頭肉が含まれている。
家計消費量等
5月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は166グラム(前年同月比7.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の5月の平均消費量との比較では、17.5%減と大幅に下回る結果となった。
5月の外食産業全体の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の5類感染症移行から1年が経ち、人流の活発化により、前年より土曜日が1日少なかったものの、前年同月比6.3%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、連休明けの割引率の高い販促が奏功し、同4.0%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風も、連休後に勢いが弱まるも、モバイルクーポンなどの効果により、同10.7%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、値上げの影響で鈍っていた客足が戻り、高品質で値頃感のあるメニューが節約志向の消費者に好評で、同2.8%増と前年同月をわずかに上回った。
推定期末在庫・推定出回り量
5月の推定期末在庫は、14万1267トン(前年同月比12.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図4)。このうち、輸入品は12万8998トン(同13.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
推定出回り量は、7万1007トン(同2.4%減)と前年同月をわずかに下回った(図5)。このうち、輸入品は4万3724トン(同4.8%減)と前年同月をやや下回った一方、国産品は2万7283トン(同1.6%増)と前年同月をわずかに上回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)