全国の生乳生産量、前年同月比1.0%増
令和6年5月の生乳生産量は、65万5623トン(前年同月比1.0%増)となり、4カ月連続で前年同月を上回った(図1)。地域別に見ると、北海道は37万1186トン(同1.3%増)と前年同月を5カ月連続で上回り、都府県は28万4437トン(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った。
5月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは32万9718トン(同1.5%減)、このうち、業務用向けについては2万3464トン(同2.9%減)と、いずれも前年同月をわずかに下回った。
乳製品向けは、32万1657トン(同3.6%増)と5カ月連続で前年同月を上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万382トン(同4.0%増)と前年同月をやや上回った。チーズ向けは、4万1179トン(同3.4%増)と前年同月をやや上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、17万5228ン(同5.4%増)と前年同月をやや上回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
全国の牛乳生産量、前年同月比1.6%減
5月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は26万4795キロリットル(前年同月比1.6%減)と前年同月をわずかに下回った。成分調整牛乳は1万8615キロリットル(同9.5%減)と前年同月をかなりの程度下回り、加工乳は、1万2340キロリットル(同4.7%増)と前年同月をやや上回った。
5月のバター生産量、前年同月比5.4%増
5月のバターの生産量は、7119トン(前年同月比5.4%増)と前年同月をやや上回った(図2)。出回り量は6461トン(同0.4%減)と前年同月をわずかに下回った(農畜産業振興機構調べ)。5月末の在庫量は、2万7935トン(同8.0%減)と前年同月をかなりの程度下回ったが、前月比では5カ月連続で上回っている(図3)。
5月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比20.5%減
5月の脱脂粉乳の生産量は、1万4874トン(前年同月比7.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。出回り量は1万1432トン(同7.3%増)と7カ月ぶりに前年同月を上回った(農畜産業振興機構調べ)。5月末の在庫量は、5万4489トン(同20.5%減)と前年同月を16カ月連続で下回った(図5)。
6年度のバターの輸入枠数量を見直し
令和6年6月26日、農林水産省は6年度の国家貿易による輸入枠について、本年も猛暑となった場合でもバターの安定供給を維持できるよう、バター輸入予定数量約1万トンに加え、4000トンの輸入枠数量を増やして設定することとした(表)。これは、5年度に生乳生産量の実績が計画を下回った分に相当する。7月中に入札に付される4000トンの当機構への受渡期限は、10月末から11月中旬までとなっている。
(酪農乳業部 橋 沙織)