卸売価格
令和6年6月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり200円(前年同月差149円安、前年同月比42.7%安)と、高値で推移した前年同月を大幅に下回った(図)。なお、日ごとの推移を見ると、同価格は、月初から末日まで変動なく推移した。
5月13日に発動した成鶏更新・空舎延長事業(注)は、6月25日の鶏卵の標準取引価格(日ごと)が同205円となり、安定基準価格(同202円)を上回ったことから、前日の24日をもって事業対象期間が終了となった。なお、同事業の発動は2月に次いで今年2回目であった。
供給面を見ると、同事業の発動により生産羽数が減少傾向で推移する中、気温の上昇も相まって特に大玉サイズの生産量が減少している。一方、需要面を見ると、量販向けは、気温の上昇の他、梅雨時を迎え低需要期に入ることから低迷しており、加工・業務向けは、需要の回復の遅れが継続している状況にある。
(注)鶏卵生産者経営安定対策事業の一つであり、一般社団法人日本養鶏協会が実施する事業。同事業は、鶏卵の標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を下回った日の30日(10万羽未満の生産者は40日)前から標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して奨励金を交付するものである。
家計消費量
5月の鶏卵の家計消費量(全国1人当たり)は、937グラム(前年同月比12.5%増)と前年同月をかなり大きく上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の5月の平均消費量との比較では、0.4%減とわずかに下回る結果となった。
(畜産振興部 大西 未来)