生産量
令和6年6月の牛肉生産量(注1)は、2万7418トン(前年同月比3.5%減)と前年同月をやや下回った(図1)。品種別では、和牛は1万3857トン(同2.4%増)と前年同月をわずかに上回った一方、交雑種は7200トン(同7.4%減)、乳用種は6109トン(同9.1%減)と、ともに前年同月をかなりの程度下回った。
なお、過去5カ年の6月の平均生産量との比較では、0.9%増とわずかに上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
6月の輸入量は、冷蔵品は、国内需要の低迷により低調に推移するも、豪州産およびニュージーランド産輸入量の増加などから、1万7706トン(前年同月比7.4%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。冷凍品は、現地相場高の影響から米国産輸入量が減少した一方、豪州産およびニュージーランド産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことなどから、2万9825トン(同10.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)でも、4万7572トン(同9.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
なお、過去5カ年の6月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は15.6%減とかなり大きく下回った一方、冷凍品は1.8%増とわずかに上回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
6月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は149グラム(前年同月比9.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の6月の平均消費量との比較では、15.5%減とかなり大きく下回る結果となった。
6月の外食産業全体の売上高は、前年より土日が各1日多く、また、全国的に梅雨入りが遅く雨天日が少なかったため人出が増え、訪日外国人客の需要も堅調だったことから、前年同月比12.4%増と前年同月をかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、夜間メニューの充実やランチメニューの値下げなどが貢献し、同10.7%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風も、クーポンやアプリによる集客および新規出店などが奏功し、同12.2%増と前年同月をかなり大きく上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、土日が多い曜日回りと団体客の取り込みで、同14.9%増と前年同月をかなり大きく上回った。
推定期末在庫・推定出回り量
6月の推定期末在庫は、14万7229トン(前年同月比8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図4)。このうち、輸入品は13万5344トン(同8.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
推定出回り量は、6万8256トン(同4.8%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、輸入品は4万1226トン(同6.1%減)とかなりの程度、国産品は2万7030トン(同2.8%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)