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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2024年9月号

6月の全国の生乳生産量、前年同月を5カ月ぶりに下回る

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全国の生乳生産量、前年同月比0.5%減
 令和6年6月の生乳生産量は、61万6308トン(前年同月比0.5%減)と前年同月を5カ月ぶりに下回った(図1)。地域別に見ると、北海道では35万2158トン(同1.1%減)と前年同月を6カ月ぶりに下回った一方、都府県では26万4150トン(同0.3%増)と前年同月並みとなった。
 6月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは33万1031トン(同0.0%減)と前年同月並み、このうち、業務用向けについては2万2237トン(同5.1%増)と前年同月をやや上回った。
 乳製品向けは、28万1415トン(同0.9%減)と前年同月を6カ月ぶりに下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは5万9751トン(同3.7%増)、チーズ向けは4万1003トン(同9.8%増)といずれも前年同月を上回った。一方で脱脂粉乳・バター等向けは、13万6138トン(同5.4%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。


 
 
全国の牛乳生産量、前年同月並み
 6月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は26万5541キロリットル(前年同月比0.0%)と前年同月並みとなった。成分調整牛乳は1万8314キロリットル(同9.1%減)と前年同月をかなりの程度下回り、加工乳は1万493キロリットル(同2.8%減)と前年同月をわずかに下回った。
 
6月のバター生産量、前年同月を5カ月ぶりに下回る
 6月のバターの生産量は、5294トン(前年同月比6.8%減)と前年同月を5カ月ぶりに下回った(図2)。出回り量は6188トン(同16.0%減)と前年同月を大幅に下回った(農畜産業振興機構調べ)。6月末の在庫量は、2万8004トン(同6.2%減)と前年同月をかなりの程度下回ったが、前月比では6カ月連続で上回っている(図3)。



 
 
6月の脱脂粉乳生産量、前年同月を7カ月ぶりに下回る
 6月の脱脂粉乳の生産量は、1万1712トン(前年同月比4.0%減)と前年同月を7カ月ぶりに下回った(図4)。出回り量は1万2223トン(同3.8%増)と前年同月をやや上回った(農畜産業振興機構調べ)。6月末の在庫量は、5万4078トン(同21.8%減)と前年同月を大幅に下回った(図5)。



 
 
令和6年度の生乳生産量、前年度比0.9%増の見込み
 一般社団法人Jミルク(以下「Jミルク」という)は令和6年7月30日、「2024年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題について」を公表した(表)。これによると、6年度の生乳生産量は前回5月31日の公表値741万3000トンから下方修正され、738万6000トン(前年度比0.9%増)となった。地域別に見ると、北海道では前回公表値427万9000トンから下方修正され、424万1000トン(同1.6%増)となった一方で、都府県では前回公表値313万4000トンから上方修正され、314万5000トン(同0.1%減)となった。
 Jミルクは、5月の見通しにおいては、今年度の気温について「猛暑」と設定していたが、今回の見通しでは「観測史上最高レベルの猛暑」となった昨年度と同程度の暑さでの試算に変更した。また、昨年夏と同水準の暑熱に見舞われたとしても暑熱ダメージを最小限に抑え生産基盤の毀損を防ぐため、現場での適切な暑熱対策の重要性を継続的に呼びかけ、対応の徹底を図る必要があるなどとしている。

 
(酪農乳業部 山下 侑真)