卸売価格
令和6年7月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり200円(前年同月差120円安、前年同月比37.5%安)と、高値で推移した前年同月を大幅に下回った(図)。同価格は、月初から末日まで変動がなく推移した。
また、過去5カ年の7月の平均卸売価格との比較では、7.0%安とかなりの程度下回る結果となった。
供給面を見ると、6月24日に事業対象期間が終了した成鶏更新・空舎延長事業(注)の影響により生産羽数が減少する中、気温の上昇による産卵率および個卵重の低下がみられている。一方、需要面を見ると、量販向けは、気温の上昇による消費減退などから低迷し、加工・業務向けも、需要の回復の遅れが継続している状況にある。
(注)鶏卵生産者経営安定対策事業の一つであり、一般社団法人日本養鶏協会が実施する事業。同事業は、鶏卵の標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を下回った日の30日(10万羽未満の生産者は40日)前から標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して奨励金を交付するものである。
家計消費量
6月の鶏卵の家計消費量(全国1人当たり)は、906グラム(前年同月比10.8%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の6月の平均消費量との比較でも、2.6%増とわずかに上回る結果となった。
(畜産振興部 大西 未来)