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海外需給【牛乳・乳製品/中国】畜産の情報 2024年9月号

生乳生産量の伸びは低下するも、乳価下落は止まらず

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24年上期の生乳生産量、前年同期比3.5%増
 中国国家統計局によると、2024年上期(1〜6月)の生乳生産量は、前年同期比3.5%増の1856万トンとなった(図1)。19年以降、上期の生乳生産量の増加率は前年同期比8%前後で推移していたが、生乳価格の低迷などを受け、今期は伸びが低下した。


 
 中国の生乳生産量については、上期に比べて下期(7〜12月)が3〜4割程度増加する傾向にある。このため、仮に24年も同様の傾向で推移した場合、下期の生乳生産量は2400万トンを超え、年間では4250万トンを超えると見込まれる(注1)

 
(注1)年間生乳生産量の見込みなど詳細は、『畜産の情報』2024年7月号「生乳生産量はさらに増加、乳製品輸入量は引き続き低水準」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003299.html)をご参照ください。
 
24年7月の生乳価格、前年同月比13.8%安
 中国農業農村部によると、2024年7月の生乳価格は1キログラム当たり3.24元(69.24円:1元=21.37円(注2)、前年同月比13.8%安)と前年同月をかなり大きく下回った(図2)。

 
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の24年7月末TTS相場。


 
 24年下期の生乳価格について中国農業農村部は、24年7月に公表した「農産物需給動向分析月報(2024年6月)」(以下「月報」という)の中で、生産性の低い乳牛の淘汰とうたなどが進むことで生乳生産量の増加率は鈍化するが、生乳需要の低迷が続くことから、今後も低水準で推移するとしている。
 
24年上期の乳製品輸入量、需給の緩和で引き続き低迷
 2024年上期(1〜6月)の乳製品主要8品目の輸入量は、8品目中2品目(チーズおよびバター)で前年同期を上回ったが、その他の6品目はいずれも下回った(表)。


 
 月報の中で中国農業農村部は、輸入量減少の要因について中国国内の乳製品需要の低迷を挙げている。また、24年の乳製品輸入量については、4月に公表した「中国農業展望報告(2024−33)」の中で、国内での生乳の供給過剰が続くことから、引き続き減少(生乳換算で前年比1.0%減)するとしている(注3)。ただし、上述の乳牛の淘汰などが進められた結果、想定を超えて生乳生産量が減少する可能性もあることから、今後の需給動向を注視する必要がある。

 
(注3)海外情報「中国農業展望報告(2024−2033)を発表(牛乳・乳製品編)(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003854.html)(令和6年6月26日発)をご参照ください。
 
(調査情報部 平山 宗幸)