米国の生産減も輸出入量は変わらず、期末在庫はかなりの増加見込み

米国農務省世界農業観測ボード（USDA/WAOB）および米国農務省海外農業局（USDA/FAS）は2024年7月12日、2024/25年度の世界の大豆需給予測値を更新した（表）。

　これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2185万トン（前年度比6.7％増）と前月から41万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは1億6900万トン（同10.5％増）、これに次ぐ米国は1億2070万トン（同6.5％増）、アルゼンチンは5100万トン（同3.0％増）と、米国を除きいずれも前月から据え置かれた。米国は単収が前月から据え置かれたものの、作付面積が下方修正されたことが影響した。また、中国は2070万トン（同0.7％減）と据え置かれた。

　輸入量は、世界全体で1億7640万トン（同2.0％増）と前月から据え置かれた。このうち、最大の輸入国である中国は1億900万トン（同0.9％増）と同じく据え置かれた。

　消費量（搾油仕向け）は、世界全体で3億4568万トン（同5.0％増）と前月から10万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は1億300万トン（同4.0％増）と前月から据え置かれた。

　輸出量は、世界全体で1億8020万トン（同2.9％増）と前月から据え置かれた。このうち、最大の輸出国であるブラジルは1億500万トン（同1.9％増）、これに次ぐ米国も4967万トン（同7.3％増）と、いずれも据え置かれた。

　この結果、期末在庫は1億2776万トン（同14.8％増）と前月から14万トン下方修正された。

　今回の内容に関して輸入量に目を向けると、同日付で中国農業農村部が公表した同年度の中国の大豆輸入量は9460万トンと前月から据え置かれており、引き続きこの乖離（かいり）が注目される。

（調査情報部　横田　徹）