米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2024年7月12日、24/25年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表)。
生産量は、作付面積と収穫面積の上方修正を受けて、151億ブッシェル(3億8356万トン(注1)、前年度比1.6%減)と前月から上方修正され、前年度からわずかに減少すると見込まれている。
米国内消費量は、126億8000万ブッシェル(3億2208万トン、同0.4%増)とわずかな増加が見込まれている。このうち、飼料等向けは、供給量の増加などからわずかな増加が見込まれている。
輸出量は、生産量の上方修正などを背景に22億2500万ブッシェル(5652万トン、前年度同)と上方修正された。
この結果、総供給量が総消費量を上回り、期末在庫は20億9700万ブッシェル(5327万トン、前年度比11.7%増)と前月から下方修正されたものの、高水準だった前年度をかなり大きく上回ることが見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.1%(同1.5ポイント増)と前年度からわずかな増加が見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.30米ドル(660円。1キログラム当たり26.0円:1米ドル=153.44円(注2)、同7.5%安)とかなりの程度下落が見込まれている。
今回の作付面積と収穫面積の上方修正は、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が6月28日に公表した作付面積の調査結果に基づいており、作付面積である9150万エーカー(3703万ヘクタール、前年度比3.3%減)は、統計が開始された1944年以降で8番目の規模となっている。
ただし、今回の予測では、23/24年度の米国の消費量と輸出量が前月からそれぞれ191万トン上方修正されたことなどから、同年度の期末在庫が下方修正され、24/25年度の期末在庫に反映される形となった。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年7月末TTS相場。
(調査情報部 岡田 真希奈)