24年6月の国産トウモロコシ価格、干ばつの影響懸念などでわずかに上昇
中国農業農村部は7月24日、「農産物需給動向分析月報(2024年6月)」を公表した。この中で、2024年6月の国産トウモロコシ価格は前月からわずかに上昇した(図1)。同月のトウモロコシ需給を見ると、産地在庫の減少から供給は取引業者在庫の取り崩しに移行している。このような中で、北部の干ばつなどから生産への影響が懸念されており、取引業者はこの機を利用し、在庫保管経費の軽減も念頭に販売価格への転嫁を進めているとされている。このため、当面の国産トウモロコシ価格は堅調な推移が見込まれている。
輸入トウモロコシ価格を見ると、主要な養豚生産地の中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着(関税割当数量内:1%の関税+25%の追加関税)は、24年6月が1キログラム当たり2.02元(43円:1元=21.37円(注)、前月比7.3%安)とかなりの程度下落した。また、同月の国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)が同2.50元(53円)となったことで、輸入と国産との価格差は前月の同0.28元(6円)から同0.48元(10円)に拡大した。
24年6月の国産大豆価格、需要停滞も供給減から前月並みを維持
2024年6月の国産大豆価格は前月並みとなった(図2)。同月の大豆需給を見ると、産地や市中在庫の減少から供給は備蓄大豆の取り崩しに移行している。需要面では、各地での気温上昇の影響から、食用など加工需要の低下により緩和傾向にあるが、主産地東北部での長雨により、生育への影響が懸念されているため、当面の国産大豆価格は、安定した推移が見込まれている。
各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、24年6月が1キログラム当たり4.66元(100円、前年同月比9.0%安)と前年同月をかなりの程度下回った。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同5.38元(115円、同6.4%安)と前年同月をかなりの程度下回った。同月の輸入大豆価格(山東省青島港引き渡し価格、課税後)が同4.44元(95円)となったことで、輸入と国産との価格差は前月と同じく同0.94元(20円)となった。
国際相場に影響する大豆の輸入量は、前年に比べて低い水準にある。24年(1〜5月)の輸入量は3737万トン(前年同期比5.4%減)、輸入額は同22.4%減の197億8100万米ドル(3兆352億円:1米ドル=153.44円(注))と報告されている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年7月末TTS相場。
(調査情報部 横田 徹)