全国の生乳生産量、前年同月比1.7%減
令和6年7月の生乳生産量は、60万6475トン(前年同月比1.7%減)と前年同月を2カ月連続で下回った(図1)。地域別に見ると、北海道では35万5643トン(同0.9%減)と前年同月を2カ月連続で下回り、都府県でも25万832トン(同2.8%減)と4カ月ぶりに下回った。
7月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは32万6096トン(同2.3%減)と前年同月を5カ月連続で下回ったが、このうち、業務用向けについては2万2778トン(同1.3%増)と2カ月連続で上回った。
乳製品向けは、27万6273トン(同1.2%減)と2カ月連続で下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは6万1266トン(同4.3%増)と前年同月をやや上回った一方、チーズ向けは3万5569トン(同9.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った。脱脂粉乳・バター等向けも、13万1394トン(同1.9%減)と前年同月をわずかに下回った(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
全国の牛乳生産量、前年同月をわずかに下回る
7月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は26万1243キロリットル(前年同月比2.0%減)と前年同月をわずかに下回った。成分調整牛乳は1万9001キロリットル(同11.8%減)と前年同月をかなり大きく下回り、加工乳は1万930キロリットル(同3.9%増)と前年同月をやや上回った。
7月のバター生産量、2カ月連続で前年同月を下回る
7月のバターの生産量は、5103トン(前年同月比0.9%減)と前年同月を2カ月連続で下回った(図2)。出回り量は6162トン(同3.5%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構調べ)。7月末の在庫量は、2万7741トン(同4.8%減)と前年同月をやや下回った。(図3)。
7月の脱脂粉乳生産量、2カ月連続で前年同月を下回る
7月の脱脂粉乳の生産量は、1万968トン(前年同月比1.3%減)と前年同月を2カ月連続で下回った(図4)。出回り量は1万2767トン(同4.3%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構調べ)。7月末の在庫量は、5万2281トン(同21.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図5)。
令和6年上期の酪農品の輸出量、前年同期比31.7%減
令和6年8月2日に農林水産省が発表した「農林水産物輸出入情報(令和6年6月分)」によると、本年上期(1月〜6月)における酪農品の輸出量は、1万19トン(前年同期比31.7%減)と大幅に、輸出額は110億8670万円(同9.3%減)とかなりの程度、前年同期を下回った。国別に見ると、輸出額ベースで最大の輸出相手国はベトナムであり、同国向けの輸出額は64億5038万円(同16.1%増)と前年同期を大幅に、輸出量は3313トン(同9.4%増)と前年同期をかなりの程度上回った。そのうち、乳幼児用調製品が3201トン(同25.7%増)と全体の9割以上を占めた。
上期累計を品目別に見ると、牛乳・部分脱脂乳は、3491トン(同2.7%減)と前年同期をわずかに下回った一方で、チーズ類は560トン(同14.6%増)と前年同期をかなり大きく上回った。粉乳等は、4809トン(同47.4%減)と前年同期を大幅に下回った。粉乳等の9割近くを占める乳幼児用調製品は4226トン(同10.9%増)と前年同期をかなりの程度上回ったが、その他の粉乳は、583トン(同89.1%減)と大幅に減少しており、これは近年の生・処による対策に伴い国内在庫量が減少したことなどが要因と考えられる。
(酪農乳業部 橋 沙織)