卸売価格
令和6年8月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり217円(前年同月差65円安、前年同月比23.0%安)と、高値で推移した前年同月を大幅に下回った(図1)。なお、同価格は、同200円から同240円まで、月内に6度上昇し、4カ月ぶりに前月の価格から上昇した。また、過去5カ年の8月の平均卸売価格との比較では、9.0%高とかなりの程度上回る結果となった。
供給面を見ると、生産量は、6月24日に事業対象期間が終了した成鶏更新・空舎延長事業(注)の影響や、猛暑による産卵率および個卵重の低下などから、大玉サイズを中心に減少傾向にある。一方、需要面を見ると、量販向けは、猛暑による消費減退などから低調な荷動きとなっているものの、加工・業務向けでは、大玉サイズを中心とした引き合いがある中、供給が不足していることから、中玉以下のサイズへのシフトなどが生じている。
(注)鶏卵生産者経営安定対策事業の一つであり、一般社団法人日本養鶏協会が実施する事業。同事業は、鶏卵の標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を下回った日の30日(10万羽未満の生産者は40日)前から標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して奨励金を交付するものである。
家計消費量
7月の鶏卵の家計消費量(全国1人当たり)は、837グラム(前年同月比2.9%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の7月の平均消費量との比較では、6.8%減とかなりの程度下回る結果となった。
餌付け羽数
7月の採卵用めすの出荷・餌付け羽数は、841万4000羽(前年同月比4.9%減)と前年同月をやや下回った(図2)。
なお、過去5カ年の7月の平均羽数との比較でも、7.5%減とかなりの程度下回る結果となった。
また、1〜7月の累計でも、5558万4000羽(前年同期比6.7%減)と前年同期をかなりの程度下回った。
(畜産振興部 大西 未来)