24年6月末の繁殖雌豚頭数は前年同月比6.0%減
中国農業農村部によると、2024年6月末時点の繁殖雌豚頭数は4038万頭(前年同月比6.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図1)。同頭数は、同部が最適な水準としている3900万頭を約3.5%上回っている。
24年6月の豚と畜頭数は前年同月比8.2%減
2024年6月の豚と畜頭数は、2431万頭(前年同月比8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。現地報道によると、繁殖母豚飼養頭数の減少により肥育豚飼養頭数が減少し、と畜頭数の減少につながったとされている。
24年7月の豚肉価格は前年同月比24.4%高
2024年7月の豚肉価格は、前月比2.8%高の1キログラム当たり29.1元(602円:1元=20.70円(注)、前年同月比24.4%高)となった(図3)。現地報道によると、7月はと畜頭数の減少による供給減などが価格上昇の要因とされている。今後の見通しとして、1頭当たりの枝肉重量は増加傾向にあるものの、8月、9月も引き続きと畜頭数の大幅な増加が見込まれない中で、9月ごろから気温が徐々に下がり豚肉需要の最盛期に入るため、需給のひっ迫により豚肉価格は堅調に推移すると見込まれている。
豚肉生産にも影響する子豚価格を見ると、24年7月は前月比0.8%高の同43.9元(909円、前年同月比37.8%高)と高値で推移した。現地報道によると、24年に入り繁殖雌豚頭数の減少により子豚供給頭数も減少している中で、需要が落ち着く2月の春節後も豚肉価格が上昇基調で推移していることから、今後の上昇を見込んで生産者が積極的な子豚の導入を行っていることが、子豚価格上昇の要因とされている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年8月末TTS相場。
24年1〜7月の豚肉輸入量は前年同期比43.9%減
2024年1〜7月の豚肉輸入量は59万1595トン(前年同期比43.9%減)となり、最大の輸入先となるスペインをはじめ、主要輸入先のすべてで前年同期を大幅に下回った(表)。現地報道によると、中国国内で経済不安が広がる中、外食や食肉消費の控えなど国内需要の低迷に加え、23年の国内産豚肉価格低迷時に保管した冷凍豚肉在庫を十分に抱えていることなどが、輸入量の減少につながったとされている。
(調査情報部 田中 美宇)