24年1〜7月の鶏肉生産量、前年同期比1.3%増
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2024年7月の鶏肉生産量は処理羽数および生体重量の増加により、184万6000トン(前年同月比9.5%増)とかなりの程度増加した。この結果、24年1〜7月の鶏肉生産量は1231万7000トン(前年同期比1.3%増)とわずかに増加した(表1)。
24年の鶏肉生産量についてUSDAは、今年上半期(1〜6月)の肉用鶏卵の孵(ふ)化数の増加などから、前月発表から4万3500トン引き上げ、2126万3000トン(前年比1.1%増)と見込んでいる。
24年7月の卸売価格、前年同月比10.3%高
USDA/ERSによると、2024年7月の鶏肉卸売価格は1ポンド当たり1.31米ドル(1キログラム当たり421円:1米ドル=145.80円(注)、前年同月比10.3%高)とかなりの程度上昇した。(図1)。
今後の卸売価格についてUSDA/ERSは、引き続き堅調な需要が見込まれるとし、第3四半期(7〜9月)平均で同1.27米ドル(同408円、前年同期比10.1%高)、第4四半期(10〜12月)平均で同1.28米ドル(同411円、同8.0%高)と前年同期を上回る水準で推移するとしている。
堅調な需要を反映して、7月末の鶏肉冷凍在庫量は32万6657トン(同11.1%減)とかなり大きく減少した(図2)。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年8月末TTS相場。
24年上半期の鶏肉輸出量、前年同期比9.0%減
USDA/ERSによると、2024年の6月の鶏肉輸出量は25万366トン(前年同月比5.7%減)とやや減少し、同年上半期(1〜6月)累計では、151万7655トン(前年同期比9.0%減)とかなりの程度減少した(表2)。
24年上半期(1〜6月)の輸出量を輸出先別に見ると、需要減やドル高による価格競争力の低下などを背景に主要輸出先の多くで前年同期を下回った。
最大の輸出先であるメキシコ向けは35万8652トン(同0.2%増)と前年並みであった。一方、キューバ向けは12万6554トン(同8.1%減)とかなりの程度減少し、台湾向けは台湾内の鶏肉生産の回復により10万189トン(同38.5%減)と大幅に減少した。また、カナダ向けは7万1829トンと前年並み、フィリピン向けは7万971トン(同0.9%減)とわずかに減少した。
24年の鶏肉輸出量についてUSDAは、前年比6.7%減の307万4000トンと予測している。
(調査情報部 伊藤 瑞基)