24年上半期の家きん肉生産量、前年同期比6.3%増
中国国家統計局によると、2024年上半期(1〜6月)の家きん総出荷羽数は76億羽(前年同期比5.7%増)、同生産量は1182万トン(同6.3%増)と、いずれも前年を上回った。また、同年6月末の家きん飼養羽数は63億2000万羽(同0.1%減)となった。
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)の直近見通しによると、24年の中国の鶏肉生産量(注1)は1500万トン(同4.9%増)と過去最高を記録した23年を上回ることが見込まれている。この要因として、中国国内の優良遺伝子を用いた生産能力の強化が挙げられている(表1)。
24年8月の鶏肉市場価格、前年同期比0.7%安
中国農業農村部によると、2024年8月第3週の鶏肉市場価格は1キログラム当たり23.9元(495円:1元=20.70円(注2)、前年同期比0.7%安)と前年同期をわずかに下回った(図)。
24年7月は、ブラジルでの家畜疾病の発生による鶏肉輸出の停止などから同価格は前年並みを維持したが、8月は景気の停滞感などによる需要の減退などからわずかに下回って推移した。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年8月末TTS相場。
24年1〜7月の冷凍鶏肉輸入量、前年同期比35.6%減
2024年1〜7月の冷凍鶏肉輸入量は52万6696トン(前年同期比35.6%減)と前年同期を大幅に下回った(表2)。輸入量の減少について中国農業農村部は、国内の鶏肉供給量が十分であったことを挙げている。
今後の見通しについてUSDA/FASは、24年は引き続き前年を下回って推移するとしている。一方で、中国では、一定の消費層が国産冷蔵鶏肉を好むものの、景気の低迷から、より安価な冷凍輸入鶏肉にシフトする動きが出ているとしている。加えて、手羽先やもみじのような特定の部位は依然として引き合いが強く、国内供給が十分でない場合には、鶏肉輸入量を押し上げる要因になるとしている。
24年1〜7月の鶏肉調製品輸出量、前年同期比17.9%増
2024年1〜7月の鶏肉調製品の輸出量は19万8447トン(前年同期比17.9%増)と前年同期を大幅に上回った(表3)。主要な輸出先を見ると、引き続き日本向けが首位となるが、最近は香港や英国、オランダなどへの輸出量も増加している。中国農業農村部が4月に公表した中国農業展望報告によると、同年の家きん肉の輸出量は67万トン(同1.5%増)と見込まれており、鶏肉調製品の輸出についても同様の傾向とされている。
(調査情報部 田中 美宇)