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海外需給【牛乳・乳製品/豪州】畜産の情報 2024年10月号

23/24年度の生乳生産量は増加、主要乳製品輸出量も全粉乳を除き増加

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23/24年度の生乳生産量、前年度比3.1%増
 デイリー・オーストラリア(DA)が2024年8月に公表した「Milk Production Reports」によると、24年6月の生乳生産量は、前年同月比3.4%増の59万6308キロリットル(61万4197トン相当)となり、11カ月連続で前年同月を上回った(図1)。
 この結果、23/24年度(7月〜翌6月)の生乳生産量は、前年度比3.1%増の837万5938キロリットル(862万7217トン相当)となり、DAが5月に公表していた見通しである前年度比2〜3%増(829〜837万キロリットル、854〜862万トン相当)を0.1ポイント上回る水準となった(図2)。
 また、同じく5月に公表した見通しの中で、24/25年度の生乳生産量は、生乳価格の引き下げ(注)や労働力不足、継続的な農家戸数の減少などを要因に、830万キロリットル(855万トン相当、23/24年度比1%減)前後にとどまると見込んでいる。





 
 他方で、米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が7月に公表した「Dairy:World Markets and Trade」では、24年(1〜12月)の豪州の生乳生産量を875万トン(849万キロリットル相当、前年比3.5%増)と見込んでいる。この理由としてUSDA/FASは、(1)良好な気象条件により牧草地の安定した利用が見込めること(2)アジアの堅調な乳製品需要を背景に、豪州の生乳価格は高水準で酪農家の生乳生産意欲が維持されること―などを挙げている。
 
(注)海外情報「生乳需要の低迷を受け2024/25年度当初乳価を引き下げ提示(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003835.html)をご参照ください。
 
23/24年度の主要乳製品の輸出量、全粉乳を除き大幅増加
 DAが発表した2024年6月の主要乳製品4品目の輸出量は、全品目で前年同月を大幅に上回った(表、図3)。この結果、23/24年度の累計輸出量は、全粉乳を除く3品目で大幅に増加した。
 脱脂粉乳は、中国向けが大きく減少したものの、インドネシアやベトナムなど東南アジア向けが大きく増加したことを受け、前年度比で大幅に増加した。全粉乳は、タイやベトナム向けは増加したものの、前年度の輸出先第1位の中国と第2位のアラブ首長国連邦向けが大きく減少したことを受け、大幅に減少した。バターおよびバターオイルは、タイやフィリピン向けが低調であったものの、中国や他のアジア向けおよび米国向けが好調であったことを受け、大幅に増加した。チーズは、輸出先第1位の日本をはじめとしたアジア向けが堅調に推移したことを受け、大幅に増加した。


 
 (調査情報部 平山 宗幸)