生産量
令和6年8月の牛肉生産量
(注1)は、2万5885トン(前年同月比3.4%減)と前年同月をやや下回った(図1)。品種別では、和牛は1万2617トン(同1.7%増)と前年同月をわずかに上回った一方、交雑種は6963トン(同4.9%減)とやや、乳用種は6213トン(同8.1%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の8月の平均生産量との比較では、0.2%増と同水準という結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
8月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要の低迷により低調に推移する中、主要輸入先国である豪州産輸入量が減少したこともあり、1万5975トン(前年同月比7.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。冷凍品は、輸入品在庫量が多かったことにより前年同月の輸入量が少なかったことに加え、豪州産およびニュージーランド産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことなどから、3万2891トン(同16.1%増)と前年同月を大幅に上回った(図3)。この結果、輸入量の合計
(注2)では、4万8897トン(同7.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
なお、過去5カ年の8月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は24.4%減と大幅に下回った一方、冷凍品は11.2%増とかなり大きく上回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
8月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は168グラム(前年同月比5.9%減)と前年同月をやや下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の8月の平均消費量との比較では、12.0%減とかなり大きく下回る結果となった。
8月の外食産業全体の売上高は、猛暑に加え、三つの台風の影響で臨時休業や営業時間短縮の店舗が続出したものの、お盆休みや過去最多の訪日客数が外食需要を押し上げたことなどから、前年同月比9.3%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、11日まで続いたパリ五輪の在宅需要やお盆需要により、同7.8%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、新メニューの導入が奏功し、同16.3%増と前年同月を大幅に上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、休日およびインバウンドによる需要が堅調で、同3.9%増と前年同月をやや上回った。
推定期末在庫・推定出回り量
8月の推定期末在庫は、15万8254トン(前年同月比1.3%減)と前年同月をわずかに下回った(図4)。このうち、輸入品は14万7288トン(同0.5%減)と前年同月をわずかに下回った。
推定出回り量は、6万7761トン(同3.9%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、輸入品は4万2336トン(同4.3%減)、国産品は2万5425トン(同3.2%減)と、ともに前年同月をやや下回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)