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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2024年11月号

8月の全国の生乳生産量、前年同月並み

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全国の生乳生産量、前年同月比0.3%増
 令和6年8月の生乳生産量は、59万1976トン(前年同月比0.3%増)と前年同月並みとなった(図1)。地域別に見ると、北海道では35万2142トン(同2.7%増)と3カ月ぶりに前年同月を上回った一方、都府県では23万9834トン(同3.0%減)と2カ月連続で下回った。北海道では、前年の猛暑により分娩のずれが生じたことが影響し、夏産みの頭数が増えたこと、また、旬によっては比較的涼しい日も続いたことから、猛暑による影響を受けた前年同月からは、増加したものとみられている。



 
 
 8月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは31万5361トン(同0.3%減)と前年同月を6カ月連続で下回ったが、このうち、業務用向けについては2万4323トン(同1.4%増)と3カ月連続で上回った。
 乳製品向けは、27万2669トン(同1.1%増)と前年同月をわずかに上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは5万8513トン(同2.5%増)と前年同月を3カ月連続で上回り、チーズ向けは3万6813トン(同0.0%)と前年同月並み、脱脂粉乳・バター等向けは、13万1108トン(同2.1%増)と前年同月をわずかに上回った(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。

全国の牛乳生産量、前年同月並み
 8月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は価格の値上げの影響による減少傾向は一服し、24万8640キロリットル(前年同月比0.1%減)と前年同月並みだった。成分調整牛乳はおおむね減少傾向で推移しており、1万9184キロリットル(同10.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った。一方、加工乳は増加傾向で推移しており、1万1593キロリットル(同1.8%増)と前年同月をわずかに上回った。

8月のバター生産量、前年同月並み
8月のバターの生産量は、5099トン(前年同月比0.0%)と前年同月並みであった(図2)。出回り量は7074トン(同3.9%増)と前年同月をやや上回った(農畜産業振興機構調べ)。8月末の在庫量は、2万7492トン(同2.2%減)と令和4年5月以降連続で前年同月を下回った(図3)。
 



 
8月の脱脂粉乳生産量、前年同月を上回る
 8月の脱脂粉乳の生産量は、1万927トン(前年同月比7.3%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。一方、出回り量は1万2316トン(同10.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構調べ)。在庫量は、在庫低減対策の効果もあり、令和4年10月以降前年同月比減で推移しており、8月末は5万896トン(同19.7%減)となった(図5)。
 




 
輸入枠数量、6月の検証結果を据え置き
 農林水産省は令和6年9月27日、令和6年度の指定乳製品等の国家貿易による輸入枠数量の検証結果を公表した。これによると、現時点では、本年12月の最需要期までの供給に大きな支障が生ずるまたは過剰となるおそれが低いことから、本年度の輸入枠数量(生乳換算で18万7000トン(注))を据え置くこととした。当機構は、今回の検証結果を踏まえ、引き続きバター等の入札を実施する予定である。

(注):品目別の内訳は、『畜産の情報』2024年8月号「6年5月の全国の生乳生産量、前年同月を4カ月連続で上回る」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003358.html)をご参照ください。
 
(酪農乳業部 天野 明日香)