卸売価格
令和6年9月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり256円(前年同月差36円安、前年同月比12.3%安)と、前月から同39円上昇したものの、高値で推移した前年同月をかなり大きく下回った(図)。同価格の日ごとの推移を見ると、上昇傾向が継続しており、月初の同240円から3日に同250円、10日に同260円まで上昇し、月間の上昇幅は同20円となった。なお、過去5カ年の9月の平均卸売価格との比較でも、20.8%高と大幅に上回る結果となった。
供給面を見ると、生産量は、6月24日に事業対象期間が終了した成鶏更新・空舎延長事業
(注)の影響や、猛暑による産卵率および個卵重の低下などから、大玉サイズを中心とした減少傾向が続いている。一方、需要面を見ると、外食向けでの月見メニュー需要の高まりの他、量販向けも堅調に推移している。
(注)鶏卵生産者経営安定対策事業の一つであり、一般社団法人日本養鶏協会が実施する事業。同事業は、鶏卵の標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を下回った日の30日(10万羽未満の生産者は40日)前から標準取引価格(日ごと)が安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けた生産者に対して奨励金を交付するものである。
家計消費量
8月の鶏卵の家計消費量(全国1人当たり)は、864グラム(前年同月比0.5%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の8月の平均消費量との比較では、3.0%減とやや下回る結果となった。
(畜産振興部 大西 未来)