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海外需給【牛肉/米国】畜産の情報 2024年11月号

24年7月の牛肉輸出量はかなりの程度増加

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24年8月のと畜頭数、前年同月比6.5%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2024年8月の牛と畜頭数は、牛群が縮小傾向にあることから、270万2000頭(前年同月比6.5%減)とかなりの程度減少した(図1)。同月の1頭当たりの平均枝肉重量は肥育期間の長期化から386キログラム(同3.5%増)とやや増加し、牛肉生産量は103万8000トン(同3.2%減)とやや減少した。
 また、同月のフィードロット導入頭数は197万5000頭(同1.4%減)とわずかに減少し、出荷頭数は181万8000頭(同3.6%減)とやや減少した。この結果、9月1日時点のフィードロット飼養頭数は1119万8000頭(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った。



 
 
24年8月の牛肉卸売価格は前年同月比2.0%高
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2024年8月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー)は100ポンド当たり314.29米ドル(1キログラム当たり996円:1米ドル=143.73円(注)、前年同月比2.0%高)と前年同月をわずかに上回り、引き続き高水準を維持している(図2)。夏のバーベキューシーズン終了に伴う需要減から、前月比では2.2%安とわずかに下落した。同月の肥育牛価格は同191.22米ドル(同606円、同3.0%高)と前年同月をやや上回って推移したが、前月比では2.9%安とわずかに下落した。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年9月末TTS相場。



 
 
24年7月の牛肉輸出量は前年同月比7.7%増、輸入量は同27.1%増
 USDA/ERSによると、2024年7月の牛肉輸出量は11万6875トン(前年同月比7.7%増)とかなりの程度増加し、本年で初めて前年同月を上回った(表1)。日本(同13.4%増)やメキシコ(同10.7%増)向けなど、主要輸出先からの堅調な需要が輸出増に寄与した。
 一方、同月の牛肉輸入量は18万2993トン(同27.1%増)と大幅に増加した(表2)。最大の輸入先となった豪州(同47.7%増)からの増加に加え、ブラジル(同約2.9倍)も、主要輸出先である中国向けの減少から米国向けを増加させたとみられる。24年の牛肉輸入量についてUSDAは、国内の牛肉生産減や豪州、南米からの輸入増を踏まえ、前月予測から6万4000トン上方修正の196万3000トン(前年比16.2%増)と見込んでいる。
 



 
 
(調査情報部 小林 大祐)