24年7月の豚肉輸出量はかなりの程度増加、日本向けがけん引

24年7月時点の豚総飼養頭数、前年比1.3％増
　カナダ統計局（Statistics Canada）によると、2024年7月1日時点の豚総飼養頭数は1400万頭（前年比1.3％増）とわずかに増加した（表1）。内訳を見ると、繁殖豚が123万頭（同0.9％減）と前年をわずかに下回り、肥育豚は1276万頭（同1.5％増）とわずかに前年を上回った。 　また、同年1〜7月の生体豚輸出頭数（米国向け）は402万頭（前年同期比2.8％増）とわずかに増加したものの、直近の7月では54万頭（前年同月比4.9％減）とやや減少した。25年のカナダの生体豚輸出頭数について米国農務省海外農業局（USDA/FAS）は、繁殖豚飼養頭数の減少に加えて、カナダ西部における食肉処理・加工能力の向上から678万頭（前年比1.7％減）とわずかな減少を見込んでいる。
 
24年1〜8月の豚と畜頭数、前年同期比3.4％減
　カナダ農務・農産食料省（AAFC）によると、2024年8月の豚と畜頭数は163万頭（前年同月比1.0％減）とわずかに減少した（図）。また、同年1〜8月の累計では1382万頭（前年同期比3.4％減）とやや減少した。地域別ではカナダ東部（ケベック州など）が同5.2％減、西部（アルバータ州など）が同1.1％減となり、これは同国東部にあるオリメル社の食肉処理・加工施設の相次ぐ閉鎖が影響したとみられる。
　25年の豚肉生産量についてUSDA/FASは、と畜頭数（前年比0.7％増）および平均枝肉重量の増加が見込まれることで、211万トン（同1.4％増）と予測している。 24年1〜7月の豚肉輸出量、前年同期比8.0％増
　カナダ統計局によると、2024年7月の豚肉輸出量は8万8900トン（前年同月比10.3％増）、同年1〜7月の累計では65万1600トン（前年同期比8.0％増）といずれもかなりの程度増加した（表2）。
　同期間の豚肉輸出量を輸出先別に見ると、日本向けは14万4500トン（同59.1％増）、韓国向けは4万8200トン（同73.9％増）といずれも大幅に増加した。現地情報によると、国内豚肉需要の減少に加え、カナダドルは米ドルと比較し通貨高の影響が少ないことによる米国産豚肉の代替需要などが、日本向けを中心とした輸出増につながったとされる。一方、米国向けは16万4600トン（同3.8％減）とやや減少し、中国向けは現地需要の低迷などから6万2500トン（同39.5％減）と大幅に減少した。