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海外需給【飼料/ブラジル】畜産の情報 2024年11月号

23/24年度トウモロコシおよび大豆生産量、前年度に次ぐ過去2番目の大きさを予測

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は9月12日、2023/24年度第12回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。







 
 
23/24年度のトウモロコシ輸出量は生産量減などにより前年度比3割減の見込み
 2023/24年度のトウモロコシ生産量は、前回より7万4200トン上方修正の1億1572万2800トン(前年度比12.3%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、収益性の悪化などにより生産者がトウモロコシの作付面積を減らした(同5.4%減)ことに加え、不安定な天候などで単収が低下(同7.2%減)したためである。しかし、同年度のトウモロコシ生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ数量と見込まれている。
 内訳を見ると、全生産量の20%を占める第1期作の生産量は、2296万2200トン(同16.1%減)と前年度を大幅に下回ると見込まれている。これは、作付面積の減少(同10.7%減)に加え、不規則な降雨により単収が低下(同6.1%減)したためである。特に北東部ピアウイ州、バイーア州、南東部サンパウロ州、ミナスジェライス州で不安定な天候の影響が大きく、南部リオグランデドスル州など一部の州を除き生産量が前年を下回るとされている。
 全生産量の78%を占める第2期作の生産量は、9025万5000トン(同11.8%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、南東部サンパウロ州、ミナスジェライス州、中西部マットグロッソドスル州、南部パラナ州などにおいて、降水量不足や高温により単収が低下したためである。4月後半からの降水量の減少により、多くの地域で収穫が早まったことで、収穫作業は、9月第1週時点で作付面積の99.1%で終了し、前年同期(82.2%)に比べて速いペースで進んでいる。
 また、全生産量の2%を占める第3期作の生産量は、250万5900トン(同16.3%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。8月にはすべての生産地で降水量が減少し、一部の地域で単収の低下がみられた。収穫作業はバイーア州で始まっており、11月末まで続くとしている。
 23/24年度のトウモロコシ需給状況を見ると、消費量は8424万3100トン(同5.8%増)と引き続き増加が見込まれている。また、輸出量は、生産量の減少に加え、米国やアルゼンチンから国際市場への供給増により、3600万トン(同34.1%減)と前年度より大幅な減少が見込まれている。

23/24年度大豆生産量は悪天候により前年度をやや下回る見込み
 2023/24年度の大豆生産量は、前回から大きな修正はなく1億4738万2000トン(前年度比4.7%減)と前年度をやや下回ると見込まれている。これは、作付面積が前年度より増加(同4.4%増)したものの、ほとんどの地域で悪天候に見舞われたことで、南部リオグランデドスル州を除く主産地で単収が減少(同8.7%減)するためである。なお、同年度の生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ数量と見込まれている。
 23/24年度の大豆の需給状況を見ると、輸出量は、生産量の減少を反映して、9243万4400トン(前年度比9.3%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
 




 
 
(調査情報部 井田 俊二)