畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 10月の全国の生乳生産量、3カ月連続で前年同月を上回る

国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2025年1月号

10月の全国の生乳生産量、3カ月連続で前年同月を上回る

印刷ページ
北海道の生乳生産量、前年同月比3.4%増
 令和6年10月の生乳生産量は、60万6148トン(前年同月比1.4%増)と3カ月連続で前年同月を上回った(図1)。地域別では、北海道が35万4086トン(同3.4%増)となり、昨夏と比べて若干暑さが和らいだことや分娩のズレによる夏産み頭数の増加などを受け、3カ月連続で前年同月を上回った。一方、都府県では、夏の酷暑により7月に前年を下回り、9月以降も厳しい残暑が続いたことから25万2062トン(同1.3%減)と4カ月連続での減少となった。



 
 10月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは33万9634トン(同0.5%増)と、わずかながらも前年同月を8カ月ぶりに上回った。このうち、業務用向けについては2万7517トン(同0.4%増)と5カ月連続で上回った。
 乳製品向けは26万2549トン(同2.5%増)と前年同月を3カ月連続で増加した。これを品目別に見ると、クリーム向けは5万9057トン(同3.2%減)と2カ月連続で下回り、チーズ向けは3万4068トン(同4.7%減)と4カ月連続で下回った。一方、脱脂粉乳・バター等向けは、12万3288トン(同9.7%増)と前年同月をかなりの程度上回り、3カ月連続の増加となった(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 
全国の牛乳生産量、前年同月比1.0%増
 10月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち牛乳は、27万4618キロリットル(前年同月比1.0%増)と前年同月を上回った。成分調整牛乳は前年割れが継続しており、1万8299キロリットル(同6.6%減)とかなりの程度下回った。加工乳は、1万2961キロリットル(同1.2%減)と前年同月をわずかに下回った。
 
10月のバター在庫量、2カ月連続で前年同月を上回る
 10月のバターの生産量は、5007トン(前年同月比16.3%増)と前年同月から大幅に増加し、3カ月連続で上回った(図2)。出回り量は7020トン(同10.6%増)とかなりの程度前年同月を上回った(農畜産業振興機構調べ)。10月末の在庫量は、2万4881トン(同2.0%増)となり、令和4年4月以来の前年同月比増となった前月に続き、2カ月連続で上回った(図3)。



 
 
10月の脱脂粉乳在庫量、2カ月連続で5万トンを下回る
 10月の脱脂粉乳の生産量は、1万626トン(前年同月比10.4%増)と前年同月からかなりの程度増加し、3カ月連続で上回った(図4)。一方、出回り量は1万2217トン(同15.2%減)と4カ月連続で下回った(農畜産業振興機構調べ)。在庫量は、在庫低減対策の効果もあり、令和4年10月以降前年同月減で推移しており、10月末は4万7505トン(同11.9%減)と、2カ月連続で5万トンを下回った(図5)。
 


 
牛乳類全体販売個数、前年同期を下回る
 一般社団法人Jミルクが令和6年12月5日に公表したJミルク需給短信(週報)によると、11月25日の週の牛乳類全体の販売個数は1.2%減と、2週連続で前年同期を下回った。品目別では、牛乳は前週に比べて東日本で平年より気温が高かったこともあり、2週ぶりに前年同期を上回った。一方、成分調整牛乳、加工乳、乳飲料は、前週に比べそれぞれ減少幅が縮小したものの、成分調整牛乳は6週連続、加工乳は2週連続、乳飲料は21週連続、前年同期を下回った。今後は、気温の低下とともに消費が落ち込む時期を迎えることから、引き続き牛乳類の需要喚起に取り組むことが求められる。
 
(酪農乳業部 天野 明日香)