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海外需給【牛肉/中国】畜産の情報 2025年1月号

牛肉生産量は増加、牛肉価格は低水準で推移

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24年1〜9月の牛肉生産量、前年同期比4.6%増
 中国国家統計局によると、2024年1〜9月の牛肉生産量は、生乳価格の下落を受けて乳用牛の淘汰が進んだことなどにより、前年同期比4.6%増の532万トンとなった(図1)。
 中国農業農村部は24年4月、24年の牛肉生産量を前年比1.1%増の761万トンとする予測を公表しているが(注1)、過去2カ年の第4四半期(10〜12月)の牛肉生産量が240万トン前後で推移していることを踏まえると、同予測を上回る可能性が高い。
 
(注1)海外情報「中国農業展望報告(2024−2033)を発表(牛肉編)(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003853.html)をご参照ください。

 
24年11月の牛肉卸売価格、前年同月比12.6%安
 牛肉卸売価格は2024年2月以降、大幅に下落している。中国商務部によると、24年11月の同価格は1キログラム当たり61.9元(1306円:1元=21.10円(注2)、前年同月比12.6%安)と、引き続き過去4カ年の水準を大幅に下回っている(図2)。
 この要因について現地報道では、牛肉輸入量の増加に加え、生乳価格の下落を受けて乳用牛の淘汰が進んだことなどにより、牛肉が供給過多になったためとしている。
 牛肉価格について中国農業農村部は、24年11月に公表した「農産物需給動向分析月報(2024年10月)」の中で、気温低下により牛肉の需要(火鍋などの消費)が増すため、年末年始とその後の祝日(春節。25年は1月下旬〜2月初旬ごろ)で下げ止まり、その後は反転すると予測している。
 
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年11月末TTS相場。


 
 
 
24年1〜10月の牛肉輸入量(冷凍および冷蔵)、前年同期比3.6%増
 2024年1〜10月の牛肉輸入量を見ると、輸入の大部分を占める冷凍牛肉は228万1245トン(前年同期比3.3%増)とやや増加した(表1)。また、冷蔵牛肉の輸入量は5万9712トン(同17.3%増)と大幅に増加した(表2)。
 25年の中国の牛肉輸入量(冷凍および冷蔵)について米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、24年8月と10月に公表したレポートの中で、豊富な国内産牛肉との競合や輸入牛肉の在庫量の多さから、24年比で1%増にとどまると予測している。


 
 
 
(調査情報部 平山 宗幸)