24年9月の生乳出荷量、前年同月比2.1%減
欧州委員会によると、2024年9月の生乳出荷量(EU27カ国)は、1116万7000トン(前年同月比2.1%減)と3カ月連続で前年同月を下回った(図1、表)。主要生産国別に見ると、フランス(同3.2%増)が前年同月を上回った一方、ドイツ(同1.8%減)、オランダ(同2.6%減)イタリア(同22.4%減)では前年同月を下回った。
欧州で夏季の記録的な高温によるヒートストレスに加え、欧州北西部の一部の国ではブルータングの感染拡大も生乳出荷量の減少につながった。
24年10月の生乳取引価格、前年同月比13.5%高
欧州委員会によると、2024年10月の生乳取引価格(EU27カ国の平均)は、100キログラム当たり50.32ユーロ(1キログラム当たり80.86円:1ユーロ=160.70円(注)、前年同月比13.5%高)と6カ月連続で前年同月を上回り、19カ月ぶりに50ユーロを上回った(図2)。生乳出荷量の減少から生乳取引価格は堅調に推移している。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年11月末TTS相場。
24年11月の乳製品価格、すべての主要品目で上昇
欧州委員会によると、2024年11月17日の週の乳製品価格(EU27カ国の平均)は、脱脂粉乳が100キログラム当たり258ユーロ(1キログラム当たり415円、前年同期比0.8%安)と前年同期をわずかに下回ったものの、全粉乳が同428ユーロ(同688円、同16.4%高)、チーズが同428ユーロ(同688円、同18.4%高)、ホエイパウダーが同95ユーロ(同153円、同15.2%高)といずれも前年同期を上回った(図3)。
特にバターは、同776ユーロ(同1247円、同47.5%高)と、依然として前年同期を大幅に上回って推移している。24年1〜8月の乳製品生産量を見ると、堅調なチーズ向け需要に加え、クリーム生産量が増加しており、バターの生産量は減少している。
(調査情報部 平石 康久)