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海外需給【牛乳・乳製品/NZ】畜産の情報 2025年1月号

生乳生産量は前年度を上回って推移

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24年10月の生乳生産量、4カ月連続で前年を上回る
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2024年10月の生乳生産量は308万トン(前年同月比2.1%増)とわずかに増加し、4カ月連続で前年同月を上回った(図1)。この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、南島の主要生乳産地帯であるカンタベリー地方を中心に牧草の生育状況が良好であり、順調な生乳生産が続いているためとしている。
 また、今後の生乳生産の見通しとしてニュージーランド国立水・大気研究所(NIWA)は、降雨量の増加要因となるラニーニャ現象に関し、年末までに発生する可能性が50%まで下がったと予測されており、今後の生乳生産の動向が注目されている。

 
 
24年10月の乳製品輸出量、チーズが増加
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2024年10月の乳製品輸出量は、脱脂粉乳およびバターがいずれも前年同月を下回った(表、図2)。特にバターは、主要輸出先である米国やサウジアラビア向けで減少した。一方、全粉乳は、中国やインドネシア向けが大幅に増加し、チーズは、主要輸出先である日本向けに加え、インドネシアやフィリピン向けも増加した。




 
 
24年11月19日のGDT平均価格、主要3品目で前回開催を上回る
 2024年11月19日開催のGDT(注1)平均取引価格は、チーズを除く主要3品目がいずれも前回開催時(同年11月5日)を上回った(図3)。全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4089米ドル(62万465円:1米ドル=151.74円(注2)、前回比2.3%高)と、22年7月以来の高値となった。中国は、全粉乳などの在庫減少を背景に乳製品国際市場へ回帰するなど、需要が高まったことなどから、全粉乳は同3826米ドル(58万557円、前回比3.0%高)、脱脂粉乳は同2882米ドル(43万7315円、同1.1%高)となった。
 
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年11月末TTS相場。
 
 


 
(調査情報部 田中 美宇)