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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2025年2月号

6年11月の全国の生乳生産量、4カ月連続で前年同月を上回る

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北海道の生乳生産量、前年同月比3.3%増
 令和6年11月の生乳生産量は、58万9049トン(前年同月比1.8%増)と4カ月連続で前年同月を上回った(図1)。地域別では、北海道が34万1015トン(同3.3%増)となり、4カ月連続で上回った。一方、都府県では、24万8034トン(同0.3%減)と5カ月連続での減少となったが、減少率は夏場と比べて縮小している。



 
 11月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは31万8800トン(同1.4%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った。このうち、業務用向けについては2万7649トン(同0.8%増)と6カ月連続で上回った。
乳製品向けは26万6515トン(同2.3%増)と4カ月連続で上回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは6万2516トン(同1.9%減)と3カ月連続で下回り、チーズ向けは3万4839トン(同0.8%増)と5カ月ぶりに上回った。一方、脱脂粉乳・バター等向けは、12万4249トン(同6.0%増)と前年同月をかなりの程度上回り、4カ月連続での増加となった(農畜産業振興機構調べ「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 
全国の牛乳生産量、3カ月連続で前年同月を上回る
 11月の牛乳等生産量を見ると、飲用牛乳等のうち牛乳は、25万8060キロリットル(前年同月比1.3%増)と3カ月連続で前年同月を上回った。一方、成分調整牛乳は前年割れが継続しており、1万6954キロリットル(同6.9%減)とかなりの程度下回った。加工乳は、1万3748キロリットル(同3.5%増)と3カ月ぶりに上回った。
 
11月のバター在庫量、前年同月比9.0%増
 11月のバターの生産量は、4972トン(前年同月比12.8%増)と前年同月からかなり大きく増加し、4カ月連続で上回った(図2)。出回り量は8611トン(同11.2%増)と前年同月をかなり大きく上回った(農畜産業振興機構調べ)。11月末の在庫量は、2万3528トン(同9.0%増)となり、3カ月連続で前年同月を上回った(図3)。



 
 
11月の脱脂粉乳在庫量、3カ月連続で5万トンを下回る
 11月の脱脂粉乳の生産量は、1万1172トン(前年同月比5.3%増)と前年同月からやや増加し、4カ月連続で上回った(図4)。一方、出回り量は1万1058トン(同22.8%減)と5カ月連続で下回った(農畜産業振興機構調べ)。在庫量は、在庫低減対策の効果もあって、令和4年10月以降前年同月減で推移し、11月末は4万7623トン(同5.2%減)と、3カ月連続で5万トンを下回ったものの、6カ月ぶりに前月の在庫量を上回った(図5)。



 
 
令和7年度の加工原料乳生産者補給金単価、3年連続で引き上げ
 令和6年12月25日に開催された「食料・農業・農村政策審議会畜産部会」において、畜産物価格の算定について諮問・答申が行われ、加工原料乳生産者補給金単価は前年度から0.17円引き上げとなる1キログラム当たり9.09円、集送乳調整金単価は同0.05円引き上げとなる同2.73円、総交付対象数量は前年同の325万トンと定められた(表)。また、畜産物価格関連対策の一つとして、総交付対象数量を超えた部分の数量(18万トンを上限)について、バターと脱脂粉乳の需給の不均衡を改善するため、また、総交付対象数量に18万トンを加えた343万トンについて、物流問題による集送乳経費の合理化に資するために、生乳流通事業者等が行う取り組みを支援する措置が令和7年度も引き続き講じられる予定である。


 
 
(酪農乳業部 山下 侑真)