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国内需給【鶏卵】畜産の情報 2025年2月号

6年12月の鶏卵卸売価格、前年同月比17.4%高

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卸売価格
 令和6年12月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり290円(前年同月差43円高、前年同月比17.4%高)と、前月から同9円上昇し、2カ月連続で前年同月の同価格を上回った(図)。同価格の日ごとの推移を見ると、上昇傾向が継続しており、月初の同285円から3日には同290円に上昇し、月間の上昇幅は同5円となった。なお、過去5カ年の12月の平均卸売価格との比較では、26.6%高と大幅に上回る結果となった。
 供給面を見ると、生産量は、外気温の低下により産卵率および個卵重に回復傾向が見られるものの、今シーズンの高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生状況が、過去最多の発生となった4年シーズンに匹敵するペースで発生しており、影響が懸念される状況にある。
 一方、需要面を見ると、量販向け需要は店頭価格の上昇による一定の減退が見られたものの、インバウンドを含む外食などの業務用向け需要は引き続き堅調に推移した。

 
 
家計消費量
 11月の鶏卵の家計消費量(全国1人当たり)は、887グラム(前年同月比1.2%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の11月の平均消費量との比較では、2.3%減とわずかに下回る結果となった。
 
令和7年度の補てん基準価格および安定基準価格が決定
 農林水産省は令和6年12月25日、「令和7年度鶏卵生産者経営安定対策事業」のうち、「鶏卵価格差補てん事業」の発動基準となる補てん基準価格および「成鶏更新・空舎延長事業」の発動基準となる安定基準価格を決定した。補てん基準価格は鶏卵1キログラム当たり230円、安定基準価格は同207円となった(表1)。

 
HPAIの発生状況
 農林水産省によると、養鶏場(採卵鶏)におけるHPAIの今シーズンの発生状況については、令和6年10月23日に国内1例目が確認されて以来、7年1月7日9時00分時点で計11道県17事例が確認されている(表2)。


 
 
(畜産振興部 大西 未来)