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海外需給【豚肉/メキシコ】畜産の情報 2025年2月号

24年の豚肉生産量は前年比2.1%増、25年は同1.6%増の予測

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24年の豚肉生産量は前年比2.1%増の見込み
 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年9月5日、24年と25年のメキシコの豚肉需給見通しを発表した。これによると、24年の豚と畜頭数は2115万頭(前年比1.9%増)となり、豚肉生産量は159万トン(同2.1%増)とわずかな増加が見込まれている(表1)。また、同年の豚肉消費量は274万トン(同3.3%増)とやや増加が見込まれている。
 25年の豚肉生産量については、前年を2万5000トン程度上回る161万5000トン(同1.6%増)と予測している。堅調な国内需要に加え、飼料価格の低下による生産者の収益性の改善、業界のインテグレーション(垂直統合)の進展などが豚肉生産を後押しすると見込んでいる。

 
生体豚価格は堅調に推移、24年11月は前年同月比12.6%高
 メキシコ国家情報市場統合システム(SNIIM)によると、2024年11月の生体豚価格は、1キログラム当たり45.0ペソ(395円:1ペソ=8.77円(注)、前年同月比12.6%高)とかなり大きく上回った(図)。24年前半の同価格は同33〜37ペソ(289〜324円)台で推移していたが、6月2日の大統領選後、ペソが下振れに転じたことで、輸入豚肉の高騰を見据えた業者による国産豚肉確保の動きが強まったことに起因しているとみられる。8月以降はペソ相場の変動に合わせて上下したものの、10月以降の生体豚価格は落ち着きを見せた。また、豚枝肉価格も生体豚価格と同様の動きを見せ、11月は72.5ペソ(636円、同9.0%高)とかなりの程度上回った。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年12月末TTS相場。

 
24年1〜9月の豚肉輸出量、前年同期比8.0%減
 USDA/FASによると、2024年1〜9月の豚肉輸出量は、国内需要の増加により、12万2800トン(前年同期比8.0%減)とかなりの程度減少した(表2)。輸出先別に見ると、輸出先第1位の日本向けは9万7200トン(同6.3%減)とかなりの程度減少した。第2位の米国向けは、米国内の豚肉生産の増加から1万8700トン(同5.1%減)とやや減少し、続く韓国向けは7000トン(同28.2%減)と大幅に減少した。なお、中国向けは同国内での生産回復に伴い、22年6月以降、輸出は行われていない。
 25年の輸出量についてUSDAは、ペソ相場の下落による価格競争力の回復などから、前年比3.8%増と予測している。

 
(調査情報部 小林 大祐)