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海外需給【豚肉/中国】畜産の情報 2025年2月号

豚肉供給量の増加から豚肉価格は下落傾向で推移

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24年10月末の繁殖雌豚頭数は前月並み
 中国農業農村部によると、2024年10月末時点の繁殖雌豚頭数は4073万頭(前月比0.3%増)となった(図1)。同頭数は、同部が最適な水準としている3900万頭を4.4%上回っている。
 


 
24年10月の豚と畜頭数は前年同月並み
 2024年10月の豚と畜頭数は、2876万頭(前年同月比0.3%増)と前年同月並みとなり、前月比では8.9%増とかなりの程度増加した(図2)。同年3月以降、子豚の生産頭数が増加しているため、肥育豚飼養頭数が増加し、と畜頭数の増加につながったとみられる。


 
 
24年11月の豚肉価格、前年同月比14.9%高
 2024年11月の豚肉価格は、前月比3.9%安の1キログラム当たり28.7元(631円:1元=21.97円(注)、前年同月比14.9%高)となった(図3)。この要因について中国農業農村部は、24年12月に公表した「農産物需給動向分析月報(2024年11月)」で、同年8月以降、生後5カ月以上の肥育豚頭数が増加していることで、養豚企業各社が豚肉価格のさらなる下落を見越して出荷を早め、市場への豚肉供給量の増加につながったためとしている。
 一方、豚肉生産にも影響する子豚価格を見ると、同年11月は前月比5.4%安の同34.4元(756円、同42.0%高)となった。
 今後の豚肉価格と子豚価格について同部は、春節(旧正月)に向けた豚肉の塩蔵製品やハム、ソーセージなどの製造が最盛期を迎え、さらに、年末の豚肉消費需要が大幅に増加することから、春節前に緩やかに上昇するとしている。一方、春節後の閑散期も豚の出荷頭数は増え続けるため、豚肉価格は下落する可能性が高いとしている。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年12月末TTS相場。


 
 
24年1〜11月の豚肉輸入量、前年同期比34.5%減
 2024年1〜11月の豚肉輸入量は96万1840トン(前年同期比34.5%減)となり、最大の輸入先であるスペインをはじめ、すべての主要輸入先で前年同期を大幅に下回った(表)。この要因について農業農村部は、国産の豚肉価格が下落に転じ、輸入事業者の購買意欲が減退したためとしている。
 
(調査情報部 平山 宗幸)