24年11月の生乳生産量、前年同月比0.2%減
デイリー・オーストラリア(DA)が2024年12月に公表した「Milk Production Reports」によると、24年11月の生乳生産量は、前年同月比0.2%減の86万7973キロリットル(89万4012トン相当)となり、16カ月ぶりに前年同月を下回った(図1)。
この結果、24/25年度(7月〜翌6月)の7〜11月までの累計生乳生産量は、前年同期比1.3%増の385万9081キロリットル(397万4853トン相当)となった。
24/25年度の生乳生産量についてDAは、24年12月に公表した「Situation and Outlook Report」の中で、前年度比1%減の830万キロリットル(855万トン相当)と予測している。この理由についてDAは、(1)酪農地帯であるビクトリア州西部やタスマニア州などで乾燥状態が続いており、牧草の生育に懸念があること(2)経営コストが高止まりしている中、新年度当初乳価が引き下げられ(注1)、酪農家の生乳増産意欲が低下していること(3)労働力不足や酪農家の廃業といった長期的課題が継続していること―などを挙げている。
一方、現地報道によれば、同年12月に入り、乳業大手の豪州フォンテラ社、豪州サプート社、ベガ社の3社が、生乳の固形分1キログラム当たりの乳価を同年度当初乳価から0.15豪ドル(15円:1豪ドル=100.50円(注2))引き上げると発表しており、今後の生乳生産への効果が注目される。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年12月末TTS相場。
24年10月の主要乳製品の輸出量、全品目で増加
DAが2024年12月に公表した「Dairy Export Summary」によると、24年10月の主要乳製品4品目の輸出量は、全品目で前年同月を上回った(表、図2)。
脱脂粉乳は、中国向けが大きく減少したものの、東南アジア向けが大きく増加したことを受け、前年同月比で大幅に増加した。全粉乳は、主要輸出先である中国やアラブ首長国連邦向けが増加したことを受け、大幅に増加した。バターおよびバターオイルは、東南アジアのみならず日本やメキシコなどからの引き合いが強まったことを受け、大幅に増加した。チーズは、主要輸出先である日本や中国などアジア向けが堅調に推移したことを受け、かなりの程度増加した。
(調査情報部 平山 宗幸)